ひとり暮らしの親が、夜中に具合が悪くなっても誰にも気づいてもらえないかもしれない。離れて暮らす家族にとって、こうした心配は季節を問わずつきまとうものです。
そうした世帯のために、多くの市区町村が高齢者向けの「緊急通報システム」を貸し出しています。静岡県浜松市では、65歳以上のひとり暮らし世帯などを対象に、市民税非課税世帯なら機器の利用料が無料、課税世帯は月額1100円です。
この記事では、住民税非課税世帯の判定基準を浜松市の案内で確認したうえで、緊急通報システムの利用料が世帯の課税状況でどう変わるのかを、浜松市・東京都板橋区・静岡市の3つの例で見ていきます。
1. 住民税非課税世帯は、世帯の全員が均等割も所得割もかからない世帯
住民税は、所得に関係なく定額でかかる「均等割」と、所得に応じてかかる「所得割」でできています。住民税非課税世帯は、世帯の全員がこの両方を課税されない世帯のことです。
1.1 浜松市で均等割・所得割・森林環境税がかからない人は3つの基準で決まる
浜松市の案内では、次のいずれかに当てはまる人は、市民税・県民税の均等割と所得割、森林環境税のいずれも課税されません。基準は、その年の1月1日時点の状況と前年の所得で判断します。
- 1月1日時点で、生活保護法による生活扶助を受けている人
- 未成年者、障がい者、ひとり親、寡婦に当てはまり、前年の合計所得金額が135万円以下の人
- 前年の合計所得金額が、単身なら41万5000円以下の人
- 同一生計配偶者や扶養親族がいる場合は、31万5000円×(同一生計配偶者と扶養親族の数+1)+10万円+18万9000円以下の人
たとえば夫婦2人で配偶者を扶養している世帯なら、31万5000円×2+10万円+18万9000円で、合計所得金額91万9000円以下が目安になります(LIMO編集部で計算)。
1.2 合計所得金額45万円以下なら所得割だけが非課税になる
浜松市では、単身で前年の総所得金額等が45万円以下の人は、所得割が課税されません。ただし、この場合は均等割と森林環境税(1人年額1000円)が課税されるため、住民税非課税にはあたりません。
単身で給与収入だけの人なら、令和8年度の住民税では給与収入106万5000円以下が、均等割もかからない目安です(給与所得控除65万円を差し引いて41万5000円。LIMO編集部で計算)。
非課税となる基準や自治体の支援内容についても押さえておきましょう。住民税非課税世帯向けの支援は国の制度だけにとどまらず、市区町村ごとに独自の優遇制度を設けているケースが多くあります。そのため、同じ条件であっても、お住まいの地域によって受けられるサポートには違いがあります。
2. 高齢者の緊急通報システム、浜松市は市民税非課税世帯なら利用料が無料
緊急通報システムは、自宅で急に具合が悪くなったときに、ボタンを押して受信センターに知らせる仕組みです。市区町村が機器を貸し出し、利用料を世帯の課税状況で分けている例が多くあります。
2.1 浜松市は75歳以上のひとり暮らし世帯などに貸し出し、課税世帯は月額1100円
浜松市が緊急通報システムを貸し出す対象は、次のいずれかの世帯です。昼間や夜間に高齢者だけになる世帯も含みます。
- 65歳以上で、心疾患や脳血管障害など循環器系の疾患があるひとり暮らし高齢者世帯
- 75歳以上のひとり暮らし高齢者世帯
- 75歳以上で支援が必要な高齢者世帯
機器の利用料は、市民税非課税世帯が無料、市民税課税世帯が月額1100円です。通話料と週1回の通信テスト代は、利用者の実費負担になります。
2.2 板橋区は住民税非課税世帯で月400円、生活保護世帯は無料
東京都板橋区の高齢者緊急通報システムは、65歳以上のひとり暮らし世帯や高齢者のみの世帯などが対象です。月額の利用料は、住民税課税世帯が1400円、住民税非課税世帯が400円で、生活保護世帯は無料です。
2.3 静岡市は対象を生活保護世帯と、全世帯員が市民税非課税の世帯に限っている
静岡市は、65歳以上の一人暮らしの人などのうち、生活保護世帯か、全世帯員が市民税非課税の世帯に属する人を対象にしています。設置・撤去の費用と月々の利用料は無料です。
高齢者の緊急通報システムの月額利用料(浜松市・板橋区・静岡市)2/2
出所:浜松市「緊急通報システムの貸与」、板橋区「板橋区高齢者緊急通報システム」、静岡市「ひとり暮らし高齢者等緊急通報システムの貸し出し」をもとにLIMO編集部作成
【緊急通報システムの月額利用料】
- 浜松市:市民税非課税世帯は無料、市民税課税世帯は1100円
- 板橋区:生活保護世帯は無料、住民税非課税世帯は400円、住民税課税世帯は1400円
- 静岡市:生活保護世帯と全世帯員が市民税非課税の世帯が対象で、利用料は無料
住民税非課税世帯は、世帯の全員が均等割も所得割もかからない世帯で、浜松市では単身なら前年の合計所得金額41万5000円以下が基準です。緊急通報システムの利用料は、浜松市なら非課税世帯で無料、課税世帯で月1100円と、課税状況で分かれます。
同じ住民税非課税世帯でも、板橋区では月400円がかかり、静岡市では非課税世帯でなければ借りられません。住んでいる市区町村の高齢者福祉の担当課や地域包括支援センターで、対象と利用料を確かめられます。
ここからは、緊急通報システムの利用料を年額に直して比べたうえで、申し込むときに求められる準備と、世帯の課税状況を確かめる方法を見ていきます。
見守りの費用は、一度契約すると毎月続く固定費になります。利用料が世帯の課税状況で変わる制度は多いので、申し込む前に、同居している家族も含めて住民税がかかっているかを確かめておくと安心です。
