家族を自宅で介護していると、紙おむつ代は毎月かかる出費になります。介護保険のサービスとは別に、紙おむつなどの介護用品を現物で届ける事業を設けている市区町村があります。
大阪府豊中市の「紙おむつ給付事業」は、要介護4・5の人に月8000円分まで、要介護3の人に月5000円分までの紙おむつを給付します。条件は本人と、同居している全員が市民税非課税であることです。
この記事では、住民税非課税世帯が使える主な優遇措置と判定基準、豊中市の紙おむつ給付の対象と給付額を確認します。
なお、住民税非課税世帯に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。
1. 住民税非課税世帯が使える優遇措置は、国の制度と市区町村の独自事業に分かれる
住民税非課税世帯は、世帯全員に住民税の均等割と所得割がかからない世帯です。住民税非課税世帯であることを条件に負担が軽くなる制度は、全国共通のものと、市区町村が独自に設けているものがあります。
1.1 全国共通の制度は医療・介護・教育にまたがる
全国共通の制度には、介護保険料の段階が下がる、高額療養費や高額介護サービス費の自己負担の上限が低くなる、入院時の食事代が減額される、といったものがあります。高等教育の修学支援新制度でも、住民税非課税世帯は授業料等減免と給付型奨学金の支援区分で最も手厚い区分になります。
1.2 紙おむつの給付は市区町村ごとに対象と額が違う
紙おむつなどの介護用品の支給は、全国一律の制度ではありません。実施しているかどうか、対象になる要介護度、月の上限額は市区町村ごとに決められています。
市区町村の独自の支援については、LIMOの記事「【住民税非課税世帯】給与・年金の収入基準《ボーダーラインはいくら?》知っておきたい5つの優遇制度!制度の基本とファクトを網羅した完全ガイド」から要点を引用して確認しておきましょう。
国の制度として設けられている非課税世帯向け支援に加え、実際には市区町村ごとに独自の優遇制度を設けているケースも少なくありません。
同じ住民税非課税世帯であっても、住んでいる自治体によって受けられる支援内容には差があります。
出所:【住民税非課税世帯】給与・年金の収入基準《ボーダーラインはいくら?》知っておきたい5つの優遇制度!制度の基本とファクトを網羅した完全ガイド
2. 豊中市の紙おむつ給付事業は、要介護3から5の人に月1回現物で届く
豊中市の紙おむつ給付事業は、在宅で生活する要介護3・4・5の人に、紙おむつを月1回、現物で給付する事業です。市の案内(2026年4月1日更新)では、要介護度によって給付の上限が分かれています。
- 要介護4・5:月8000円分まで
- 要介護3:月5000円分まで
2.1 豊中市の紙おむつ給付の対象は3つの条件をすべて満たす人
豊中市の案内では、次の3つをすべて満たす人が対象です。
- 市内に住民登録があり、その場所で生活している
- 要介護認定で要介護3・4・5と判定され、市民税が非課税である
- 同居している人全員が市民税非課税である
要介護3の人は、新規に申し込む時点で「排尿・排便」に「介助・見守り等」が必要な人に限られます。生活保護や中国残留邦人等支援給付を受けている世帯、入院・入所している人は対象になりません。
2.2 豊中市の紙おむつ給付は窓口・郵送・電子申込で申し込める
申し込みは、豊中市長寿安心課の窓口、郵送、電子申込システムの3つの方法でできます。郵送の場合は、紙おむつ給付申込書と紙おむつ給付希望明細書を市のホームページから印刷して記入します。
3. 住民税非課税の判定基準は3つ。豊中市の目安は扶養なしで合計所得金額45万円以下
紙おむつ給付の条件になる市民税非課税かどうかは、前年の所得で決まります。豊中市の案内では、次のいずれかにあてはまる人は、市・府民税の均等割と所得割がともに課税されません。
- 生活保護法の規定による生活扶助を受けている
- 障害者、未成年者、寡婦またはひとり親で、前年の合計所得金額が135万円以下
- 前年の合計所得金額が、同一生計配偶者と扶養親族がいない場合は45万円以下、いる場合は35万円×(同一生計配偶者+扶養親族の人数+1)+21万円+10万円以下
3.1 豊中市で住民税が非課税になる給与収入と年金収入の目安
豊中市は、前年の収入が給与だけの人と公的年金だけの人について、扶養の人数別に非課税になる収入の目安を示しています。
【給与収入のみの場合】
- 扶養なし:110万円以下
- 扶養1人:166万円以下
- 扶養2人:205万9999円以下
- 扶養3人:255万9999円以下
- 扶養4人:305万9999円以下
【65歳以上で公的年金収入のみの場合】
- 扶養なし:155万円以下
- 扶養1人:211万円以下
- 扶養2人:246万円以下
- 扶養3人:281万円以下
- 扶養4人:316万円以下
扶養の人数は、同一生計配偶者と扶養親族の合計です。65歳以上かどうかは、前年の12月31日時点の年齢で判断します。
豊中市の紙おむつ給付は、要介護4・5なら月8000円分、要介護3なら月5000円分が上限です。本人が市民税非課税であることに加え、同居している全員が市民税非課税であることが条件になります。
本人と同居家族の課税状況は、毎年6月ごろに届く住民税の決定通知書や、市役所で取れる課税(所得)証明書で確かめられます。
ここからは、紙おむつ給付の条件で見落としやすい「同居している全員」の意味と、ほかの市との違いを整理します。
介護が始まったご家庭では、紙おむつのような日用品の出費が続きます。市区町村の現物給付は金額が月単位で決まっているので、家計の見通しを立てる材料にもなります。

