「振込額が、8月までより少なくなった」と感じている人もいるかもしれません。国民健康保険料が天引きされている世帯では、10月の支給分から、引かれる額の決め方が変わっているためです。

次の年金支給日は12月15日(火)です。この日の支給分は、10月に続いて「本徴収」で国民健康保険料が引かれる2回目にあたります。

この記事では、国民健康保険料の天引きの1年の流れと、天引きになる4つの条件を確かめます。あわせて、大阪府の2026年度の料率で、70歳の単身世帯の保険料も試算します。

1. 国民健康保険料の天引きは10月から「本徴収」

国民健康保険料を振込前に差し引く仕組みは「特別徴収」と呼ばれます。1年のなかで、引かれる額の決め方は途中で切り替わります。

1.1 天引きは偶数月の年6回

特別徴収は、原則として4月から翌年2月までの偶数月、支給日ごとに行われます。回数は年6回です。

引かれるのは世帯主1人の分ではありません。世帯で国民健康保険に入っている人全員の保険料が、世帯主の受け取る分からまとめて差し引かれます。

1.2 仮徴収と本徴収

前の年度から続けて天引きされている世帯では、4月・6月・8月の3回は、前年度2月と同じ額を仮に納めます。これが「仮徴収」です。

その年度の保険料が決まるのは6月です。年間の保険料から仮徴収で納めた分を引き、残りを10月・12月・2月の3回に分けて納めます。これが「本徴収」で、吹田市の案内でも同じ流れが示されています。

前の年度より保険料が上がっていれば、10月からの1回分は8月までより多くなります。反対に保険料が下がっていれば、1回分は少なくなるのです。

1.3 10月から天引きが始まる世帯

その年度から新しく天引きが始まる世帯もあります。たとえば藤沢市では、10月から特別徴収が始まる場合、9月の4期までは納付書や口座振替で納める「普通徴収」になります。

この場合は、年間の保険料から普通徴収で納めた分を引いた残りを、10月・12月・2月の3回で納めます。12月15日の支給分も、この残りを割った1回分です。

2. 国民健康保険料が天引きされる4つの条件

国民健康保険に入っている65歳以上の人が、全員天引きされるわけではありません。原則として、次の4つにすべて当てはまる世帯主が対象になります。

  • 世帯主が国民健康保険に入っている
  • 世帯の国民健康保険の加入者が、全員65歳以上75歳未満
  • 世帯主の介護保険料が天引きされている
  • 天引きの対象になる給付が年18万円以上で、国民健康保険料と介護保険料を合わせた額がその2分の1を超えない

2.1 加入者が全員65歳以上75歳未満とは

判定に使うのは、世帯のうち国民健康保険に入っている人だけです。75歳以上の家族が後期高齢者医療制度に入っている場合も、2つ目の条件に当てはまります。

65歳未満の家族が全員、会社の健康保険などに入っている場合も同じです。

2.2 受給額は年18万円以上

国民健康保険料は、介護保険料を差し引いているのと同じ振込から引かれます。そのため、介護保険料が天引きされていることが前提になります。

受け取っているものが複数ある人は、国が決めた順位で1つを選んで判定します。

2.3 世帯主が75歳になる年度

世帯主が年度の途中で75歳になる場合、その年度は天引きされず、普通徴収になります。75歳から後期高齢者医療制度に移るためです。

たとえば枚方市では、天引きで納めている世帯主が75歳になる年度は、年度の初めから天引きをせず、原則として口座振替で6月から納める扱いです。

なお、天引きの実施時期は市区町村によって異なり、天引きを行っていない市区町村もあります。