2. 10月15日に振り込まれる年金は8月分と9月分。生活保護では「受け取った月」から2か月に分けて収入にする
10月15日(木)の支給日には、2か月分の年金がまとめて振り込まれます。年金と生活保護を一緒に受け取る場合、このまとまった年金を保護費の計算でどう数えるのかは気になるところでしょう。
この章では、年金の支払いのルールと、生活保護での年金の数え方を順に確認していきます。
2.1 年金は偶数月の15日に、前の2か月分がまとめて支払われる
日本年金機構によると、年金は原則として年6回、偶数月の15日に支払われます。15日が土日や祝日にあたるときは、その直前の平日が支払日です。
支払われるのは、原則としてその前月までの2か月分です。10月15日に入るのは8月分と9月分で、次の12月15日には10月分と11月分が支払われます。
2.2 生活保護では、受け取った月から次の支払月の前月まで月割りで収入にする
生活保護では、世帯の収入を最低生活費と比べ、足りない分が保護費として支給されます。年金もこの「収入」に含まれます。
年金をどの月の収入として数えるかは、厚生労働省の通知「生活保護法による保護の実施要領について」に定めがあります。該当する部分は次のとおりです。
恩給法、厚生年金保険法、船員保険法、各種共済組合法、国民年金法、児童扶養手当法等による給付で、1年以内の期間ごとに支給される年金又は手当については、実際の受給額を原則として受給月から次回の受給月の前月までの各月に分割して収入認定すること。
出所:厚生労働省「生活保護法による保護の実施要領について(昭和38年4月1日社発第246号)」第8の1の(4)のア
10月15日に受け取った年金なら、次の受給月である12月の前月、つまり11月までの2か月に分けて数えます。8月分・9月分という名目ではなく、受け取った10月と11月の収入として扱われる点がポイントです。
2.3 年額で決まる年金は、年額を12で割った額を毎月の収入にしてもよい
同じ通知には、1年を単位として額が決まる給付については、年額を12で割った額(1円未満は切り捨て)を各月の収入としてよいとも書かれています。
老齢基礎年金の満額は、昭和31年4月1日以前生まれの人で月7万408円(令和8年度)です。10月15日には2か月分の14万816円が振り込まれ、10月と11月にそれぞれ7万408円ずつが収入として数えられます。
なお、昭和31年4月2日以後生まれの人の満額は月7万608円(令和8年度)です。
3. 年金から介護保険料が天引きされている人は、差し引かれたあとの額が収入として認定される
65歳以上の人の介護保険料は、一定額以上の年金を受け取っていると、年金から差し引かれる特別徴収が原則です。
生活保護で年金を収入として数えるときは、この天引きの扱いにも決まりがあります。
3.1 介護保険法の特別徴収の対象なら、天引き後の受給額を数える
先の通知は、介護保険法第135条の規定により介護保険料が特別徴収される老齢年金などについて、特別徴収された後の実際の受給額を認定するとしています。
年金の額面ではなく、介護保険料が差し引かれたあとに実際に受け取る額が、収入として数えられるということです。
3.2 天引きの額が変われば、収入として数える額も変わる
介護保険料の特別徴収は、4月・6月・8月の仮徴収と、10月からの本徴収で天引き額が変わることがあります。
天引き額が変われば、手元に入る年金の額も変わります。収入として数える額もそれに合わせて動くので、10月の振込額は8月と見比べておくと安心です。
4. 【試算】75歳以上・単身で老齢基礎年金の満額を受け取る人の保護費(1級地-1・10月)
ここからは、年金の収入認定が保護費にどう反映されるかを、令和8年10月1日から適用されている生活扶助の基準で試算します。
例として、東京都区部や横浜市、名古屋市、大阪市などの「1級地-1」に住む75歳以上の単身者で、収入は老齢基礎年金の満額だけという世帯を想定しました。
4.1 75歳以上の単身なら、生活扶助費は月7万1900円
生活扶助費は、年齢別の第1類費と世帯人員別の第2類費に、経過的加算額などを足して計算します。さらに、世帯人員1人につき月2500円の特例加算が加わります。
1級地-1の75歳以上の単身なら、第1類費3万9890円、第2類費2万7790円、経過的加算額1720円、特例加算2500円で、合計は月7万1900円です。
1級地-1の市町村はいずれも冬季加算の地区区分がⅥ区で、11月から3月までは単身で月2630円の冬季加算が加わります。10月の計算には入りません。
4.2 家賃4万円なら、保護費は月4万1492円
家賃は住宅扶助として、上限額の範囲内で実際の額が最低生活費に加わります。家賃4万円が上限額の範囲内に収まるとすると、最低生活費は月11万1900円です。
ここから10月の収入として認定される年金7万408円を差し引くと、保護費は月4万1492円になります。
計算を簡単にするため、介護保険料の天引きは考えていません。天引きがある場合は、差し引かれたあとの額が収入として数えられます。
生活扶助費と家賃から最低生活費を出し、収入として認定する年金を差し引いた試算3/3
出所:厚生労働省「生活保護法による保護の基準」、厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」を参考にLIMO編集部作成
10月15日に入る年金は2か月分ですが、生活保護では受け取った10月と11月に分けて収入として数えます。介護保険料が天引きされていれば、差し引かれたあとの額が対象です。
自分の世帯の保護費に年金がいくら収入として入っているかは、福祉事務所の担当のケースワーカーに確かめられます。