2019年8月20日に行われた、株式会社アイフィスジャパン2019年12月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料
スピーカー:株式会社アイフィスジャパン 代表取締役 大沢和春 氏
2019年12月期 第2四半期決算概要①
大沢和春氏:本日はご多忙のところご来場いただきありがとうございます。さっそくですが、2019年12月期第2四半期業績のご報告を申し上げます。
最初に、事業の実態により即した採算管理を行うためのセグメント変更を、この第1四半期連結会計期間中に行いました。
従来ドキュメントソリューション事業の領域でありましたIFIS Research ManagerおよびIFIS Consensus Managerを、投資情報事業に移しました。
ファンドディスクロージャー事業でやっていました確定拠出年金関連サービスと、ITソリューション事業でやっていましたタブレットソリューションを、ドキュメントソリューション事業に移しました。
これにともない、第1四半期連結累計期間のセグメント情報は、当第1四半期連結累計期間の表示に合わせて、組み替えて再表示をしております。
2019年12月期 第2四半期決算概要②
この上期は全セグメントで増収になり、投資情報・ドキュメントソリューションを、一応明るい情報として提示しております。
ファンドディスクロージャー・ITソリューションは、売上は増えたのですが、減益になっている状況でございます。
2019年12月期 第2四半期決算概要 売上高推移
売上高は、前年同期の26億2,000万円に比べ、10.1パーセント増の28億9,000万円になりました。
投資情報事業は6億7,000万円から7億円。ドキュメントソリューションは8億4,000万円から9億9,000万円です。ファンドディスクロージャー事業は7億7,000万円から8億円。ITソリューションは3億4,000万円から4億円の状況です。
全セグメントで増収の結果になっております。
2019年12月期 第2四半期決算概要 営業利益推移
営業利益です。投資情報は前年同期2億8,000万円の営業利益が3億1,000万円と、順調に増加しております。ドキュメントソリューション事業は8,000万円から1億2,000万円と大幅にアップしました。
一方、減益となりましたファンドディスクロージャー事業は、前年同期2億円から1,000万円の減益で、1億9,000万円の利益になりました。ITソリューションは、前年同期に5,000万円の営業利益がありましたが、今期は1,000万円に終わりました。トータルとしては、前年同期比3.6パーセントのアップになっております。
ファンドディスクロージャー事業の若干の減益は、人員体制強化にともなうコスト増が1番の理由でございます。
ITソリューションは、体制強化によるコストアップもありますが、前年同期はスポットで大型の案件が入り、今期はその差分を埋めきれなかった結果、大幅な減益となってしまいました。
2019年12月期 第2四半期決算概要 構成比
セグメント別の構成比率です。投資情報は、売上高に占める比率が24パーセント、営業利益に占める比率は49パーセント。売上の規模としては3番目の事業ですが、利益に関しては、ほぼ半分を占める状況になっております。
ドキュメントソリューションは売上高34パーセントに対して営業利益19パーセント。利益率が若干下がっている状況です。
ファンドディスクロージャーに関しては、売上高・営業利益ともだいたい30パーセントの比率です。ITソリューションは売上高14パーセント、営業利益は2パーセントです。
ITソリューションは結構足が長い開発案件が多いこともあり、期によってやはりアップダウンがかなりあるということで、この上期の売上は順調ですが、利益は研修等も含めて少しズレるなどして、減っております。
2019年12月期 第2四半期決算概要 連結業績
前々期と前期を比べた表でございます。売上高成長率は、前期が前々期に比べて6.6パーセントのアップでしたが、今期は10パーセントを超える成長率でした。
経常利益率が、前期は約17パーセントでしたが、今期は約16パーセント。会社としては15パーセントの利益率を目標としていますので、及第点はもらえるのかなと思っております。
親会社株主に帰属する四半期純利益は3億600万円。親会社株主に帰属する四半期純利益率が10.6パーセントでございます。
2019年12月期 第2四半期決算概要 連結経費
経費です。外注費は売上のアップに応じて13パーセントほどアップして、14億1,600万円。労務費は人員増にともない約7パーセントのアップになり、7億2,600万円です。
その他経費が19パーセントほどアップし、2億6,400万円。減価償却費は少し減って2,400万円です。前年同期に比べトータルで11.5パーセント増の24億3,000万円の結果でございました。
2019年12月期 第2四半期決算概要 連結貸借対照表
連結の貸借対照表です。資産は2018年度末から1億2,900万円アップして、46億4,000万円。流動資産は39億1,000万円。固定資産は7億3,000万円でございます。
負債の合計は9,800万円減り、8億2,800万円です。流動負債が7億400万円。固定負債が、2018年度末とほぼ同額の1億2,300万円でございました。
純資産の合計は2018年度末に比べ2億2,700万円のプラスで、38億1,200万円の結果でした。
事業セグメント別業績推移 投資情報事業概況
事業セグメント別の業績推移でございます。
投資情報事業です。システム開発のソリューション事業は大幅に売上が減り、1億2,000万円だった前年同期から8,900万円になりました。
Research ManagerとConsensus Manager等のサービスは、前年同期8,600万円だったものが若干減って、8,000万円になっています。
ただ一方、関連会社のキャピタル・アイは主に資本市場向けのデータを提供しているのですが、機関投資家に対するデータ提供サービスなどが順調に推移しました。
それから、いろいろな金融関係のソリューションを提供している金融データソリューションも順調に推移しており、コンテンツ・データサービスとしては前年同期比大幅にアップして、5億3,400万円の売上でございます。
トータルで言うと、売上は前年同期比3.1パーセント増となりました。先ほどご案内しましたように、利益では10パーセント強のアップになっています。
売上は25パーセントほどですが、利益で約半分を占める事業に育ってきています。
事業セグメント別業績推移 ファンドディスクロージャー事業概況
ファンドディスクロージャー事業でございます。投資信託事業においては、純資産総額の増加傾向が鈍化してきており、公募投資信託の本数で減少傾向が続いています。
マーケットとしてはなかなか不透明感が漂ってきています。しかしカテゴリ別で言うと、バランスファンドの資金の流入超過は続いており、私どもの印刷は、堅調とは言えませんが、マーケットの減少傾向の悪影響はまだそれほど受けておりません。
事業セグメント別業績推移 ドキュメントソリューション事業概況
ドキュメントソリューション事業でございます。生命保険会社、証券会社等に対する、いろいろな印刷をしております。それが大幅にアップしました。前年同期は2億2,300万円だったのが、今年は2億8,100万円になりました。
DC年金はほぼ横ばいです。システム開発関連のソリューションも、順調に伸ばしてきております。
関連会社の東京ロジプロという物流会社、およびアイコスという翻訳・通訳サービスが順調に伸びてきており、その分野で前年同期比大幅にアップしました。
トータルで前年同期比17.9パーセントのアップでございました。
事業セグメント別業績推移 ITソリューション事業概況
ITソリューション事業でございます。請負関係の開発サービスは伸びているのですが、SESや派遣のサービスで売上が若干減っております。
全体では売上は前年同期比17パーセントほどアップになりましたが、先ほどご案内しましたように、利益は大幅な未達に終わりました。
事業展開について①
今後の事業展開についてのご案内でございます。
確定拠出年金で、ロボットアドバイザーの開発を今行なっております。企業型確定拠出年金加入者に対して、個別商品への最適な資産配分を推奨する「商品ポートフォリオツール」を、来年に提供しはじめようと思っています。
運営管理機関や、確定拠出年金制度を導入している会社さんの現状での問題としては、加入者がリスク資産をなかなか選択しないこともあって、年金額が想定を下回っていることです。
それから、投資教育を実施してもなかなか効果が現れない、および各種手続きが煩雑で、加入者が資産状況すら確認できていないなどの問題がありますが、ロボアドをご提供することによって、簡単な操作で加入者にモデルのポートフォリオをご覧いただけます。
リスク許容度を診断して、目標額からの資産配分をロボアドが提案する。資産管理口座と連携して、配分変更等の手続きを簡素化する。目標と実運用のズレを定期的にスマホ等でお知らせする。そのようなサービスを提供していきます。
とくに確定拠出年金の加入者の40パーセント以上が、元本確保のみの保有になっております。その運用にあまり関心をお持ちでない加入者に対して、こういうサービスを提供することによって、もう少し積極的に確定拠出年金でいろいろなシミュレーションをしていただけると思っております。
事業展開について②
私ども金融データソリューションという会社は、いろいろなかたちの、クオンツ関係の分析ツールをご提供しています。
そのなかで、東洋経済の四季報のテキストデータ等を一緒に分析して、ご提供するサービスをはじめました。今後も決算短信や有価証券報告書のテキストデータの分析等、関連したサービスを提供したいと思っております。
このオルタナティブデータサービスでの、投資家の情報サービスの購入金額が、グローバルでずっとすごく伸びていますので、我々もそういう一役を担って、いろいろなサービスをご提供したいと思っております。
事業展開について③
ヤフーファイナンスさんと一緒に10年以上、「株予報」をやっています。ページビューがずっと増えており、多いときでは、2,000万ページビューを超える状況になってきました。
ただ「もう少しレベルの高いサービスを」というご要望が出ております。そのお客さま向けに、「株予報Pro」の提供をはじめました。
まだそんなにページビューはいっていないのですが、月間80万ページビューを突破した状況です。今後も順次コンテンツを追加して、拡充を図ってまいりたいと思っています。
事業展開について④
W2Pクラウド海外展開についてです。W2Pクラウド、Web上でいろいろな編集ができたり、自動的に組本が作れるサービスを、従来ずっと提供してきました。
このシステムを、インドネシアで提供開始しました。フィリピンも提携先を見つけて、今スタート準備に入っています。インドへの提供もはじめようということで、今スタディをはじめたところです。
事業展開について⑤
オリジナルフォトグッズECマーケットプレイスを従来展開していますが、少しリニューアルしました。
商品カテゴリ、デザインのテンプレートを強化してユーザビリティを上げるとともに、法人向けにオリジナルグッズの制作サービスを開始しております。私どものお客さまは、金融機関を中心に1,000社ほどいますので、そういうお客さま向けになっています。
それだけではなく、私どもは投資信託を中心としていろいろなデザインを提供してきておりますので、将来的にはそのデザイン力を使って、お客さまにいろいろなデザインサービスを提供していきたいと思っております。
事業展開について⑥
投信物流ソリューションということで、投信会社と販売会社を結び、いろいろな印刷物を自動的に集計したり、いろいろな管理をシステム上で行っています。すでに2社の大手投信会社さんにご採用いただいています。
具体的に話が進んでいる会社さんも増えてきております。投資信託での印刷をもう少し効率的にすることも含め、いろいろなサービスを提供していきたいと思っております。
事業展開について⑦
最後に業績予想ですが、期初に立てた数字そのままでございます。売上高が前期比105パーセントの57億円。営業利益が104パーセントの8億7,000万円。純利益が104パーセントの5億7,400万円。
マーケットとしては、投資信託をはじめかなり不透明感が漂ってきており、私どもとしてはミニマムでもこの数字を必達したいと考えております。
1株配当金は、今回8月の期初中に18円に修正することを決めました。配当性向30パーセントを基準として、今後やっていきたいと思っています。これは来年3月の株主総会に付議したいと思っております。
ご清聴ありがとうございました。