2026年10月分から、遺族年金生活者支援給付金の所得基準額が491万8000円に改定されました。
ここで気をつけたいのは、判定に使う「所得」が年収そのものではないことです。ところが年収の額面だけを見て、自分は対象外だと思い込む人が少なくありません。
そこで本記事では、給付額と2026年10月分からの所得の線、年収と所得の違いを解説します。手続きの期限も紹介するので、参考にしてみてください。
1. 遺族年金生活者支援給付金は誰にいくら上乗せされるのか
まずは、給付金を受け取れる人と、毎月の給付額を確認します。
1.1 遺族基礎年金を受け取る「子のある配偶者」か「子」が対象
遺族年金生活者支援給付金は、遺族基礎年金を受けている人のうち、前年の所得が基準額以下の人に支払われます。遺族厚生年金だけを受け取っている人は対象になりません。
遺族基礎年金を受け取れる遺族は「子のある配偶者」と「子」です。子とは、18歳になった後の最初の3月31日を迎えていない人、または20歳未満で障害等級1級か2級の状態にある人を指します。
子のある配偶者が受け取っている間や、子と生計を同じくする父または母がいる間は、子への支給は止まります。多くの家庭では、配偶者が年金と給付金をまとめて受け取る形です。
1.2 2026年度は月5620円、子が受け取るときは人数で割る
給付額は月5620円で、1年間では6万7440円になります。2人以上の子が遺族基礎年金を受け取っている場合は、5620円を子の人数で割った額がそれぞれに支払われます。
子が2人なら1人あたり2810円です。3人なら5620円÷3で1873円となります。50銭未満の端数は切り捨て、50銭以上は1円に切り上げる決まりです。
対象が遺族基礎年金の受給者に限られる分、老齢の給付金に比べると、身近で話題になる機会は多くありません。
2. 2026年10月分から所得の線は491万8000円に
給付金を受け取れるかどうかは、前年の所得が基準額以下かどうかで決まります。その基準額が、2026年10月分から引き上げられました。
2.1 9月分までの479万4000円から12万4000円の引き上げ
2026年9月分までの所得基準額は479万4000円でした。10月分からは491万8000円に改定され、12万4000円の引き上げです。
所得基準額は2026年10月分から491万8000円に上がり、扶養親族がいると1人ごとに38万〜63万円が加算される2/3
出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」、e-Gov法令検索「年金生活者支援給付金の支給に関する法律施行令」をもとにLIMO編集部作成
この基準額は、20歳前障害基礎年金が全額支給停止となる所得の基準と同じ額に設定されています。
判定に使うのは前年の所得です。2026年10月分から2027年9月分までは、2025年の所得で判定されます。2026年に収入が増えていても、この期間の判定には影響しません。
2.2 扶養親族が1人いるごとに38万円から63万円を加算
所得の線は、扶養親族の数に応じて上がります。要件は「491万8000円+扶養親族の数×38万円」以下で、加算額は扶養親族の区分によって次のように変わります。
- 16歳未満の子など一般の扶養親族:1人につき38万円
- 70歳以上の同一生計配偶者、老人扶養親族:1人につき48万円
- 特定扶養親族、16歳以上19歳未満の扶養親族:1人につき63万円
扶養控除の対象にならない16歳未満の子も、扶養親族として数えます。8歳の子と17歳の子がいれば、基準は491万8000円+38万円+63万円で592万8000円です。