「引きこもり」の経験が生きた『あの花』『ここさけ』…最新作『空青』『キミモテ』にも共通する魅力とは

TVアニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(以下:『あの花』)、劇場アニメ『心が叫びたがってるんだ。』(以下:『ここさけ』)などオリジナル作品でヒット作を生み出し、人気脚本家のひとりとなった岡田麿里さん。

10月に公開された新作劇場アニメ『空の青さを知る人よ』(以下:『空青』)で脚本、『キミだけにモテたいんだ』(以下:『キミモテ』)で脚本構成を務めており、多くの人の心に届く作品を生み出しつづけています。

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『あの花』に登場する引きこもりの少年・じんたん(CV:入野自由さん)も、『ここさけ』のヒロインで、過去のトラウマから声が出せなくなった成瀬順(CV:水瀬いのりさん)も、岡田さんの経験が元になり、生み出されたキャラクターであることをご存知でしょうか。

「引きこもり」だったから描けた、共感できるキャラクター

岡田さんは、自伝『学校へ行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまで』(文藝春秋、2017年)でも明かされているように、小学校高学年のときに学校に行けなくなってから、中学、高校生のときも、ほとんど自宅に引きこもる生活をされていたそうです。コンピュータゲームの専門学校に通いながら引きこもりを脱し、シナリオライターとして仕事をはじめてからも、挨拶やコミュニケーションで困った経験もあるのだとか。

しかし、だからこそ岡田さんの脚本には観る人に素直に届くメッセージが込められています。とくに共通しているのは「みんなと協力する」場面が描かれている点ではないでしょうか。もちろん、どんな作品においてもストーリーを展開させるなかで、バラバラだった登場人物たちが結束して、ひとつの目標や目的に向かっていく様子が描かれることはあります。

その中でも岡田さんの脚本で特筆すべきなのは、「みんなと協力する」ことがチームとしての成果につながるだけではなく、個々が抱える問題やトラウマまでも乗り越えるきっかけとして描かれていることです。だからこそ観る人がいずれかの登場人物に気持ちを乗せやすく、感動したり、前向きな気持ちをもらったりすることができるのでしょう。

『空青』は今まで以上に「ファンタジー」

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ライターです。映画やアニメ、小説、漫画などエンタメ全般が好き。
執筆ジャンルもエンタメが多め。
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