そんな折、とある会議に参加しました。40~50代の女性が集まるのですが、地方都市にしては皆、個性的なオシャレをしていました。色とりどりのファッションに、ヒールの高い靴、イキイキとしている彼女たちの表情に感動して、しばし眺めてしまいました。
なぜ彼女たちが魅力的に見えたのかというと、「自分が求めるファッション」を分かっているから。誰に媚びるわけでもないし、「~すべき」と自分を抑えているわけでもなく、「この服でいいや」と妥協しているわけでもない。自分らしいオシャレを楽しんでいると感じたからです。
同時に、それまでの自分は周囲の目を気にしたり、「ママらしい格好をすべき」とか「ママだからオシャレができなくても仕方ない、これでいいや」と妥協していたことに気付かされました。
不思議なもので、身に付ける服は、女性の気分や考え方をも変えます。オシャレを妥協することで、目に見えない「自分らしさ」まで妥協していたのではないか。身に付けるファッションに始まって、そのほかの部分も妥協で埋め尽くされていたのだと思いました。
育児後に問われる「自分らしさ」
とはいえ、「ママだから」というのは大きく、特に乳幼児期は子どもの安全第一ですし、独身時代のようにオシャレにお金もかけられません。子どもが小さい時ほど、自分の時間がないのは誰も同じです。
それでも子どもが育ってくれば、「自分らしさ」が問われるようになります。それはファッションだけでなく、仕事や趣味など、生き方も同じこと。子どもが親にベッタリなのは、長くても10年前後のことであり、それ以降は親も「自分らしい人生」を歩む必要があるのです。
オシャレだけでなく、自分らしい生き方まで考えさせられた筆者。全ての服を変えるのはムリなので、まずは着ていると気分の上がるロングカーデやイヤリングを手に取りました。こうやって一つずつ、また自分の人生に戻っていく。そのことを今のうちからきちんと考えようと思わされる出来事でした。
宮野 茉莉子