5. 私大法学部の4年間の学費を用意するには、毎月いくら積み立てればよいか
3校の法学部の4年間の学費は、489万4000円から540万円でした。この額を預貯金だけで用意するとしたら、毎月いくら必要になるのかを計算します。
準備を始める時期は「子どもが8歳の頃から10年」と「生まれてすぐから18年」の2通りにしました。利息や運用益は考えていません。
5.1 準備期間が10年なら毎月4万円台
4年間の学費を120か月で割ると、次のとおりです。
- 早稲田大学:496万円÷120か月=約4万1300円
- 慶應義塾大学:540万円÷120か月=4万5000円
- 明治大学:489万4000円÷120か月=約4万800円
3校とも毎月4万円を超えます。子どもが小学生になってから準備を始めると、毎月の家計からこの額を分けて取り置く必要があります。
5.2 生まれてすぐ始めて18年なら毎月2万円台
同じ額を216か月で割ると、次のようになります。
- 早稲田大学:496万円÷216か月=約2万3000円
- 慶應義塾大学:540万円÷216か月=2万5000円
- 明治大学:489万4000円÷216か月=約2万2700円
準備の期間が8年長くなると、毎月の額は10年で準備する場合の6割に満たない水準まで下がります。始める時期が早いほど、1か月あたりの負担は軽くなります。
法学部の4年間の学費を、10年と18年で準備する場合の毎月の積立額2/2
出所:各大学の公表資料をもとにLIMO編集部作成
6. 早稲田・慶應・明治の法学部は、2年次以降の学費の決まり方が違う
4年間の合計は、2年次以降の学費をどう見積もるかで変わります。3校の公表資料を読み比べると、2年次以降の法学部の学費の決め方はそれぞれ異なっていました。
6.1 慶應義塾大学はスライド制で毎年の額が決まる
慶應義塾大学の在籍基本料・授業料・施設設備費には、スライド制が適用されます。資料には、上げ幅は人事院勧告による国家公務員給与のアップ率などを基準にすると書かれています。
この記事では2年次以降を2026年度の在学生の額130万円で計算しましたが、2027年度以降に上がれば4年間の合計も540万円より増えます。2025年度入学者の1年次は授業料96万円、施設設備費23万円で、1年のうちに合わせて4万円上がっていました。
6.2 明治大学は2026年度入学者の4年分をあらかじめ示している
明治大学は、2026年度入学者が2029年度までに納める学費を学年ごとに公表しています。授業料は毎年5000円ずつ上がる形で、4年分の額が最初からわかります。
大学は2025年4月、2026年度の学部入学者から教育充実料を年額5万円増額すると発表しました。4年間で20万円の増額にあたります。理由には、教育棟の建設や情報環境の整備、大学運営にかかる費用の増加が挙げられています。
なお、資料には「入学諸費用及び入学後の学費等は、変更される場合があります」という注記もあります。毎年4月に届く学費の振込用紙の明細で、その年の納入額を確かめる形です。
6.3 早稲田大学は授業料を平準化し、諸会費は前年度に決める
早稲田大学の一覧表では、2年次から4年次の授業料は「参考」として示されています。授業料とは別に必要な実験実習料や学生読書室図書費、諸会費は、徴収する年度の前年度に決めて学部のWebサイトなどで知らせるとされています。
3校とも、いま公表されている額がそのまま4年間続くとは限りません。進学までに数年ある場合は、少し余裕をもたせて積立額を決めておくと、途中で金額が上がっても慌てずに済みます。
7. 法学部の学費とは別に、入学時と在学中にかかるお金
4年間の合計には入れなかった費用や、入学のときにまとめて必要になるお金もあります。積み立ての計画を立てるときに一緒に押さえておきたい点を挙げます。
7.1 最初に納める額は3校とも70万円を超える
早稲田大学は、春学期(入学時)に入学金を含めて72万7850円を納めます。明治大学は入学手続きのときに、入学金と学費の2分の1、諸会費を合わせた79万9300円が必要です。
慶應義塾大学は1年次の全額を納めると151万3350円で、春学期と秋学期に分ける場合の春学期分は85万6725円です。いずれも諸会費などを含んだ額です。
合格から入学手続きまでの期間は短いため、この額をすぐに引き出せる預貯金で持っておく必要があります。値動きのある商品で準備している場合は、入学の1〜2年前から少しずつ預貯金に移しておくと、相場が下がった時期に売らざるを得なくなる事態を避けやすくなります。
7.2 父母会費や校友会費は学費の表の外にある
明治大学では父母会費が年1万2000円、校友会費が4年次に3万円かかります。早稲田大学でも最終年度に校友会費4万円が必要です。
このほか、特定の科目を履修すると別に費用がかかることがあると、早稲田大学・明治大学とも資料に書いています。明治大学は、教職や学芸員、司書などの関係科目を例に挙げています。自宅から通えない場合は、家賃や生活費も学費とは別に考える必要があります。
7.3 国の修学支援新制度は、自分で申請して採用される必要がある
早稲田大学の一覧表には、国による高等教育の修学支援新制度についての案内もあります。住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯、多子世帯などが対象で、入学金・授業料の減免と給付型奨学金がセットになった制度です。
条件に当てはまっても自動的に対象になるわけではなく、高校での予約や入学後に申請し、採用される必要があると書かれています。対象になりそうな場合は、高校の進路指導の窓口や志望校の奨学金の担当部署に早めに確認しておくと安心です。
8. まとめにかえて
2026年度に入学した場合の法学部の4年間の学費は、慶應義塾大学が540万円、早稲田大学が496万円、明治大学が489万4000円でした。最も高い慶應義塾大学と明治大学の差は50万6000円です。
預貯金で用意するなら、10年で毎月4万800円から4万5000円ほど、18年なら2万2700円から2万5000円ほどが目安になります。
2年次以降の学費の決まり方や、学費とは別にかかる会費は大学ごとに違います。志望校の候補が挙がった段階で学年ごとの金額を書き出し、準備できる年数から毎月の額を決めておくと、入学前に慌てずに済みます。
参考資料
- 早稲田大学「入学金や授業料など納付金」
- 慶應義塾「【学部】学費」
- 明治大学「入学金・学費等一覧(Tuition and fees)」
- 明治大学「2026年度入学者の学費について」
- 文部科学省「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」
和田 直子