近年、機能素材の開発も目覚ましい中、秋冬のアイテムの選択肢として、少し脇に追いやられた感もあるニット。確かに防寒性だけを重視するなら、フリースやダウンで全く問題ありません。
ただ、だからこそ「あえてニットを選ぶ意味も出てくる」から、ファッションはおもしろい。パッと見ただけで、「秋冬らしい格好しているな」と傍目に思わせてくれるアイテムは、ニットの他にちょっと思いつきません。
また、30代ともなれば、ちょっといいものを選んで、長く使っていきたいという気持ちも出てくる頃。今回は長年愛用できるニットを4枚ご紹介します。
迷ったら間違いないのは〈BATONER〉
高いクオリティーとデザイン性に裏打ちされた、完成度の高さが評判のニットブランドといえば〈BATONER〉です。そもそも、同ブランドは70年もの歴史を誇る老舗のニットファクトリーが母体になったオリジナルブランド。
美しい畔目だけでなく、動きやすさを追求した肩口のラグランデザインが、見た目のアクセントとしても効いています。これまで以上にピリング(毛玉)の起きにくい糸にアップグレードしたというのもうれしいところ。手入れは、一回着たらブラッシングして、一日休ませると、さらに長く愛用できるとのことですよ。
“永久定番”を〈EDIFICE〉が小粋にアレンジ
シンプルなだけでなく、ちょっとしたポイントがあるニットを探している方なら、ケーブル編みのニットを選ぶのも洒落てます。トラッドな匂いも濃いアイテムは、アメトラの元祖である〈Brooks Brothers〉の守備範囲内。
ちなみに、インラインは無地なのですが、〈EDIFICE〉別注のこちらのニットには、胸に同ブランドのアイコンであるゴールデン・フリースロゴが鎮座します。4色のカラバリがありますが、ロゴはすべてボディと同系色で仕上げている点がニクい。提案スタッフも「年齢を重ねても着てほしい永久定番」と語る一枚です。
やっぱり水洗いできるのがいい?
「ニットはやっぱり手入れに気を使わないものがベスト」とお考えの方は、〈EDIFICE〉オリジナルのニットもぜひチェックを。非常になめらかなメリノウールをハイゲージで編み立てているため、洗練された都会的な雰囲気です。
そして、水温30度以下であれば、手洗いができるとのこと。いちいちクリーニングに出さなくてもいいのはうれしいですよね。〈EDIFICE〉オリジナルのニットとして不動の人気を誇るというのも納得です。全6色とカラバリも豊富なので、お好みをどうぞ。
「とにかく着てみたい」と思わせる一枚
今年2019年に始動したブランドながら、早くも感度の高い服好きの間で高い支持を集めているのが〈MAATEE&SONS〉。ドレスとカジュアルの垣根を隔てず、縫製とパターンの徹底した作り込みが話題のブランドです。
こちらのニットも一筋縄ではいきません。使うのは、コンピューター制御の織り機ではなく、電力を使わない「手動式横編機」と呼ばれる古い機械。職人の技術と感性を頼りに編むため、時間はかかるものの、その分「最高の着心地」を得られるそう。
あとがき
どれもシンプルなデザインゆえ、長く愛用できそうです。肌寒さも増してきたので、そろそろコーディネートにも取り入れたいところ。本格的に寒くなる前に、ぜひお手元にどうぞ。
FACY