老後の年金を調べるとき、同じ制度の受給者にも金額の違いがあることを意識しておきたいところです。平均や年金額の例が何を示しているのか、前提を確かめながら読み進めましょう。
この記事では、70歳代・80歳代の受給状況を確認します。後半では、年金から住民税などが天引きされる理由についても取り上げ、制度や統計の見方を整理します。
なお、70歳代・80歳代の受給状況の読み取り方に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。本文中の引用部分は引用ブロックで示しています。
1. 公的年金への加入と保険料の基本の確認ポイント
年金の受給開始年齢は原則65歳
年金の金額を比べる前に、加入している制度や受給額の前提を押さえておきましょう。制度の違いは、将来受け取る年金にも関わります。
日本の公的年金制度は、「国民年金」と「厚生年金」の二つの柱で成り立っており、「2階建て構造」といわれています。まずは、その全体像を押さえておきましょう。
1.1 国民年金(1階部分)の確認
国民年金は、原則として日本に居住する20歳以上60歳未満の全員が加入します。職業や国籍は問いません。
- 年金保険料は?:第1号被保険者は全員一律(※1)
- 老後の受給額は?:40年間(480月)欠かさず納めれば満額(※2)
- 被保険者は?:第1号~第3号に区分される(※3)
※1 国民年金保険料の月額:2026年度 1万7920円(2025年度は1万7510円)。第2号被保険者の分は厚生年金保険料に含まれ、第3号被保険者に保険料の負担はありません
※2 国民年金(老齢基礎年金)の満額の月額:2026年度 7万608円
※3 第1号被保険者は農業者・自営業者・学生・無職の人など、第2号被保険者は厚生年金の加入者、第3号被保険者は、第2号被保険者に扶養されている配偶者
1.2 厚生年金(2階部分)の確認
厚生年金は、会社員や公務員、パート・アルバイトで特定適用事業所(※4)で働き一定要件を満たした方が、国民年金に上乗せで加入します。
- 年金保険料は?:収入に応じて決まり(※5)、給与からの天引きで納付
- 老後の受給額は?:加入期間や納めた保険料により個人差がある
- 被保険者は?:第1号~第4号に区分される(※6)
※4 1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※5 保険料額は標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(1カ月あたり上限150万円)に保険料率をかけて計算される
※6 第1号は、第2号~第4号以外の、民間の事業所に使用される人、第2号は国家公務員共済組合の組合員、第3号は地方公務員共済組合の組合員、第4号は私立学校教職員共済制度の加入者
また、公的年金に上乗せする「3階部分」として、企業年金(確定給付企業年金・企業型確定拠出年金)やiDeCo(個人型確定拠出年金)、国民年金基金といった私的年金の制度が用意されています。加入は任意で、勤め先の制度によって利用できるものが異なります。
2. 70歳代が受け取る厚生年金と国民年金の確認ポイント
年金額を見るときは、示されている金額の条件を確認することが大切です。モデルケースや統計の数字を、そのまま自分の受給額と考えないようにしましょう。
続いて、70歳代の各年齢の平均年金月額を確認します。
2.1 厚生年金一覧表 70歳代の平均月額の確認
- 70歳:厚生年金15万455円
- 71歳:厚生年金14万8371円
- 72歳:厚生年金14万6858円
- 73歳:厚生年金14万5583円
- 74歳:厚生年金14万7774円
- 75歳:厚生年金15万1410円
- 76歳:厚生年金15万1241円
- 77歳:厚生年金15万962円
- 78歳:厚生年金15万862円
- 79歳:厚生年金15万3115円
2.2 国民年金一覧表 70歳代の平均月額の確認
- 70歳:国民年金6万1011円
- 71歳:国民年金6万770円
- 72歳:国民年金6万234円
- 73歳:国民年金6万32円
- 74歳:国民年金5万9813円
- 75歳:国民年金5万9659円
- 76歳:国民年金5万9555円
- 77歳:国民年金5万9349円
- 78歳:国民年金5万9124円
- 79歳:国民年金5万8676円

