4日続伸。約2か月半ぶりに17,500円台を回復

2016年4月22日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日比208円87銭高の17,572円49銭と、高値引けとなりました。4日続伸で、2月2日以来、約2か月半ぶりの17,500円台回復です。

先週の動きを振り返ると、17日にカタールの首都ドーハで開かれた主要産油国の会合で、増産凍結が先送りされたことから、原油価格が下落して始まりました。円相場も再び1ドル=107円台後半に上昇しました。このため18日の日経平均株価は、15日に比べ500円以上値下がりしました。

しかし、産油国会合の結果については織り込み済みといった見方も強く、19日には原油価格が戻り、円相場も1ドル=109円台まで下落しました。日経平均株価は18日に下げた分をそのまま戻しました。

20日には17,000円を挟んで若干もみ合う動きも見せましたが。21日、22日で大きく伸びてもみ合いを抜けました。

22日は、後場になって、日本銀行が来週に開かれる会合で、追加の金融緩和を行うのではないかといった報道が流れると、円相場が1ドル=110円台に急落し、銀行株や不動産株などのほか、輸出関連株も広く買われました。

来週の株価について検討してみると、依然として為替相場の影響は大きいものの、17,000円も超えて足元の力強さは感じます。海外の株式市場が大きく上げているにもかかわらず、しばらく日本株の一人負け状態が続いていましたが、ようやく一緒に上がっていく機運が高まっています。

前述したように、27、28日には、日銀の金融政策決定会合が開かれます。実際に追加量的緩和が行われるのか、行われなかった場合、失望売りなどが生じるのか注目です。

米国では26、27日に、米連邦準備制度理事会(FRB)の連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれます。政策金利は据え置かれる予定ですが、反対票を投じる委員が出るという報道もあります。

直近の高値を超え、Wボトム完成の力強い動き

今週の動きをテクニカル面から見ると、週の頭の4月18日は、いったん抜けた25日移動平均線を再び下回りました。

目先の節目となる17,000円前後は、過去にもみ合ったところであり、今回も若干調整の動きを見せましたが、直近の高値である3月14日の17,291円を超えると、一段上に伸びました。

チャートの形としては、2月12日の14,865円を大底とするWボトムの完成と見ることもできますし、さらに1月21日の安値(16,017円)も含むと、ヘッドアンドショルダーも完成し、力強さがあります。

18,000円~18,500円台も視界に入る展開へ

今後の展開ですが、まずはWボトムやヘッドアンドショルダーのポイントとなる3月14日の17,291円がサポートラインになるかどうかがポイントになるでしょう。ここでしっかりサポートされるようであれば、上目線が確かになります。

ただ、2月12日の安値(14,865円)と4月8日の安値(15,471円)を結んだトレンドラインを引くと、現状の価格はそのチャネルの上限付近に位置しています。このため、来週の頭には若干の調整もあるかもしれません。

しかし、17,291円のサポートラインや25日移動平均線で跳ね返って、再度上昇に転じる可能性が高いと思われます。その場合の目先の節目としては、2月1日の高値(17,905円)となりますが、過去に大きくもみ合った場所ではなく、一気に抜ける可能性もあります。

そこを抜けると節も複雑ではなく順調な伸びを予感させます。18,000円台、さらには2015年12月15日の18,562円あたりまでが視野に入ってきます。

【2016年4月23日 下原 一晃】

■参考記事■

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下原 一晃