個人投資家の関心は、9月末が権利確定日となる銘柄に集まりやすい時期を迎えています。
3月期決算企業の中間期にあたる9月末は、配当や株主優待がもらえる銘柄が多いためです。
チムニー<3178>もそのひとつで、9月30日を基準日として株主優待と中間配当の権利が確定します。
同社は8月12日に2027年3月期第1四半期の決算を発表しており、稼ぎ頭である飲食事業の最新の姿もあわせて見えてきました。
1. 増収・営業増益も、持分法投資損益の悪化で経常利益は16.2%減
2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月)の連結決算は、売上高が66億4,700万円(前年同期比4.4%増)、営業利益が9,600万円(同5.0%増)と増収増益でした。
原価及び経費のコントロールにより増益を確保した一方、経常利益は9,500万円(同16.2%減)にとどまりました。これは、持分法による投資損失800万円を計上したこと(前年同期は投資利益1,100万円を計上)が主因です。
四半期純利益は6,700万円(同5.8%増)でした。なお、直営店の既存店売上高は前年同期比0.6%減となっています。
通期の会社計画(5月14日公表分から修正なし)は、売上高280億円(前期比6.2%増)、営業利益5億円(同1.8%増)、経常利益5億5,000万円(同2.3%増)と増収増益の見通しですが、純利益は2億5,000万円(同50.5%減)の計画です。
同社はすでに5月14日の本決算発表時点で、2027年3月期の年間配当予想を前期実績の10円(中間5円・期末5円)から半分の5円(中間2円・期末3円)としており、8月12日の第1四半期決算でもこの計画に変更はありませんでした。
2. 稼ぎ頭は「はなの舞」「さかなや道場」、次の一手は「さかな酒場 魚星」
チムニーはセグメント別の売上高を公表していません。
防衛省・法務省所管の施設で食堂を受託する「コントラクト事業」も手掛けていますが、収益の大部分を飲食事業が占めているとみられます。実際、連結従業員659人(2026年3月31日現在)のうち467人(全体の約71%)が飲食事業に所属しており、店舗数の面でも飲食事業が中心であることがわかります。
飲食事業のなかでも主力業態と位置づけられているのが「はなの舞」(88店、うち直営36店・FC52店)と「さかなや道場」(95店、うち直営68店・FC27店)の2ブランドです(いずれも2026年3月31日時点、有価証券報告書ベース)。
「はなの舞」は職場の集まりや家族利用など幅広いシーンに対応した居酒屋業態、「さかなや道場」は鮮度にこだわった魚料理を軸にした業態で、いずれも豊洲市場の買参権を活用した独自の鮮魚調達網を強みとしています。
これに加えて同社が「成長ドライバー」と位置づけているのが、市場で仕入れた厳選素材を売りにする「さかな酒場 魚星」(36店、うち直営34店・FC2店、同じく2026年3月31日時点)です。
2022年1月の開業以来、専門業態として拡大を続けており、2026年4月には潮見駅前店(東京都江東区)を新規出店しました。
居酒屋以外では、防衛省・法務省所管の厚生施設内で飲食店の運営を受託する「コントラクト事業」(全国90施設)も、景気変動の影響を受けやすい居酒屋業態を補完する収益源になっています。