その手があった! 運動会をパブリックビューイング形式でやる学校が登場

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子どもたちが日ごろの成果を発表する運動会。近年、炎天下での開催によって生徒の熱中症が多発するケースや、組体操での落下事故、午前中だけで終わる時短運動会など、その在り方が何かと話題になっています。

そんな中で、最近、Twitter上にアップされた、「保護者たちが体育館で、スクリーンに映し出された運動会の生中継映像を、パブリックビューイングスタイルで見守るようす」が大きな反響を呼びました。投稿者自身からは、

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「自分の子どもの出番が来たら外に出て行けばいいから快適」
「カメラ撮影の場所の譲り合いも円滑」
「子どもたちも冷房のある教室で休憩を挟んでいる」

といった状況が付け加えられています。

パブリックビューイング運動会はイマドキ?

この投稿について、運動会に出る立場、運動会に出る子どもを応援する立場を実際に経験したと思われるユーザーからは、

「子どもと保護者、双方の熱中症予防になるから大賛成」
「涼しい場所で休めるので、祖父母や幼い弟や妹も連れていける」
「もっと一般的になってほしい」

など、画期的な応援の方法におおむね賛同する意見が寄せられています。その一方で、

「自分が子どもだったら大勢の観客に頑張る姿を見てもらいたいのでさみしい」
「自分の子どもの出番だけを応援するようになると、家族が見に来られない生徒がかわいそう」
「予行演習と本番当日で同じことの繰り返しになりそう」

など、その合理化に少し違和感を覚える人も少なくないようです。一概には言えない問題も含んでいる「パブリックビューイング運動会」。今後、どのような広がりを見せていくのでしょうか。

変わりゆく運動会の姿

今回の投稿で広く知れ渡った「パブリックビューイング運動会」。しかしこの投稿者自身「私立マンモス校だからこそなせる措置」だと付け加えており、生徒数が多く、体育館や教室に冷房機能が備わっている学校だったからこそ実現できたものなのかもしれません。正直なところ、一定の予算がある学校でないと実施が難しい部分もあります。

この投稿が話題になってから、ネット上ではさらに多岐にわたる意見が寄せられるようになりました。

「ついでにネットで中継できれば、見に行くこと自体が必要なくなるのでは?」
「そもそも誰が撮影しているの?先生たちの仕事が増えるのなら大変」
「ここまでするなら運動会はもういらないのでは?」
「運動会ってあくまで教育で、別に観客に見せるためにやってるわけじゃないし違和感あるわ」

など、運動会自体の古くから残る慣習的な側面と、現代的な効率化の融合が課題となっていたり、便利なのはわかるものの、何か釈然としない人もいたりするようです。

そもそも運動会は誰のためのもの?

私たちが恒例行事として取り組んできた運動会。その教育上のねらいはどこにあるのでしょうか?

文部科学省が平成20・21年に改訂した学習指導要領「生きる力」内の、「小学校学習指導要領 第6章 特別活動」では、健康安全・体育的行事=いわゆる運動会は、「心身の健全な発達や健康の保持増進などについての関心を高め、安全な行動や規律ある集団行動の体得、運動に親しむ態度の育成、責任感や連帯感の涵(かん)養、体力の向上などに資するような活動を行うこと」と定められています。

この文言を見れば、保護者などの観客がいるかいないかは、運動会自体の指導には関係ないようにも思われます。しかし、小学校などで行われる、点数とは関係のない体操やダンスなど、クラスや学年が団結・協力して行う演目もあれば、中学・高校と進むにつれ行われる、応援合戦やクラス対抗競技といったより競争性が高くなる演目など、運動会のバリエーションはさまざまです。子どもの成長にあわせて、いろいろな演目を観ながら応援できることも、保護者にとっての楽しみの一つになっているのは事実です。

親が子どもの成長を見守る一大イベントとなる運動会。今一度、運動会の応援方法を切り口に、その存在意義を考え直すことが求められているのかもしれません。

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参考記事

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2005年創業。ビジネス書・実用書を中心とした書籍出版や企業出版、メディア・コンテンツ事業、デザイン制作事業などを手がける。

主な刊行書籍に、20万部突破の『誰からも「気がきく」と言われる45の習慣』をはじめ、『特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ』 『起業家のように企業で働く』 『すべての仕事を紙1枚にまとめてしまう整理術』 『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』 『自分を変える習慣力』 『鬼速PDCA』など。