「若いこと」が評価の一つになりがちな日本。特に女性においては、実年齢だろうと見た目年齢であろうと1歳でも若くあることは絶対的正義かのように言われ、男女問わず「女性は若ければ若いほどいい」と堂々と言う人もいます。また「女性に年齢を聞くのは失礼」というのも、女性をリスペクトしているように見えて、そもそも年齢に囚われている価値観が根底にあることがうかがえます。女性が何歳だろうと別にどうでもいいのであれば、年齢を聞くことに失礼もなにもないのですから。

そしてそういった女性と年齢にまつわる価値観の中では、年上の女性はとかく意地悪で口うるさいといった「お局」キャラに仕立てられ、「おばさんが若い女性に嫉妬している」という構図を作り出されることがしばしばあります。かねてからこの構図に疑問を持っていた筆者は、30歳を迎えるにあたって気付いたことがありました。

「自分のような失敗をしてほしくない」という思い

先日、TOKIOのリーダー城島茂さんが24歳年下の菊池梨沙さんとできちゃった結婚を発表しました。二人の年齢差や「一目ぼれをした」と城島さんが語った出会いの時期は菊池さんがまだ19~20歳だったことなどから、祝福と同じくらい批判の声が出ていることも事実です。

そんな批判に対し、「男が若い子を求めるのは当たり前」「おばさんがただ嫉妬しているだけ」という意見も少なくありません。しかし筆者は、この結婚を批判的に捉える女性たちの中には、自身の経験と重ねた人も多かったのでないかと感じました。それは、かつて大学に進学したり社会に出たりする20歳前後に、父親ほど年齢の離れた男性からアプローチされて嫌な思いをしたり傷ついたりした経験です。

筆者が大学生の時、バイト先で30代後半のアルバイト男性に何度も告白されて困っている同い年の女の子がいました。話の流れでその男性に好きなタイプを聞かれ、「年下より年上がいい」と返答したことから、執拗なアプローチが始まったそう。助けを求められて困った筆者は、40代前半のパート主婦の方に彼女と一緒に相談。

すると主婦の方がくれた助言は「あの子(男性)には私からも言っておくけど、あなたも少し言動を意識した方がいい。私も昔経験あるけど、気さくに話しかけられただけで『この子は自分のことが好き』と勘違いするおじさんは少なくないよ」というもの。筆者と同僚は「どうしてこっちに非があるかのような言い方をするの?」と少し戸惑ってしまいました。

結局その同僚は、職場の人間関係がうまくいかなくなって早々に退職。彼女にとって、アプローチしてくる男性と同様に、主婦の方の助言も鬱陶しく感じたのかもしれません。しかし、今考えると若い子に“女性としての生きやすさ”のようなものを教えてくれていたのだとわかります。それは経験則から、「同じような思いをしてほしくない」という親切心だったのでしょう。

自分の能力を評価されていると勘違いしていたあの頃