家族が亡くなったあとの年金の手続きは、年金事務所へ行くものだと思われがちです。
ところが遺族基礎年金については、請求書の提出先は原則として住所地の市区町村役場の窓口です。日本年金機構がそう案内しています。
遺族厚生年金とは出す先が違います。この記事では、令和8年4月分からの遺族基礎年金の額を確認したうえで、どの年金をどこに請求するのかを見ていきます。
1. 遺族《基礎・厚生》年金「誰が、いくら受け取れる?」
どちらの年金を請求するのかは、受け取れる方の範囲で決まってきます。
1.1 遺族基礎年金は子のある配偶者と子
遺族基礎年金を受け取れるのは、亡くなった方に生計を維持されていた子のある配偶者と子です。
子は18歳になった年度の3月31日までにある方、または20歳未満で障害年金の障害等級1級もしくは2級の状態にある方をいいます。
1.2 遺族厚生年金は5つの立場の遺族
遺族厚生年金を受け取れるのは、配偶者・子・父母・孫・祖父母の5つの立場です。子のある配偶者、子、子のない配偶者、父母、孫、祖父母の順に優先順位が決まっています。
つまり、子のない配偶者は遺族基礎年金を受け取れませんが、遺族厚生年金の対象にはなります。
2. 遺族基礎年金は「子のある配偶者」と「子」が対象
まず、いくら受け取れるのかを確認します。
2.1 本体は年84万7300円
子のある配偶者が受け取る場合、令和8年4月分からの遺族基礎年金は年84万7300円に子の加算額を足した額です。
昭和31年4月1日以前に生まれた方の場合、本体の額は年84万4900円になります。
2.2 子の加算額を足して月額に直す
子の加算額は、1人目および2人目が各24万3800円、3人目以降が各8万1300円です。子が1人なら年109万1100円、2人なら年133万4900円、3人なら年141万6200円になります。
月額に直すと、それぞれ約9万925円、約11万1241円、約11万8016円です。
2.3 遺族厚生年金は報酬比例部分の4分の3で決まる
亡くなった方が厚生年金保険の被保険者だった場合などは、遺族厚生年金もあわせて受け取れます。額は亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3です。
3. 遺族基礎年金の請求書は市区町村役場の窓口に出す
ここからが提出先の話です。
3.1 様式第108号を住所地の市区町村役場へ
遺族基礎年金の請求に使うのは、年金請求書(国民年金遺族基礎年金)様式第108号です。提出先は、原則として住所地の市区町村役場の窓口になります。
3.2 遺族厚生年金は様式第105号を年金事務所へ
遺族厚生年金の請求に使うのは、年金請求書(国民年金・厚生年金保険遺族給付)様式第105号です。提出先は、お近くの年金事務所または街角の年金相談センターになります。
遺族基礎年金とあわせて請求する場合は、こちらの様式を年金事務所に出すことになります。
4. 死亡日が国民年金第3号被保険者期間中なら提出先が変わる
遺族基礎年金には、市区町村役場ではない場合があります。
4.1 第3号被保険者期間中の死亡は年金事務所へ
死亡日が国民年金第3号被保険者期間中の場合、遺族基礎年金の請求書の提出先はお近くの年金事務所または街角の年金相談センターになります。
第3号被保険者は、厚生年金保険の被保険者に扶養されている配偶者です。同じ遺族基礎年金でも、亡くなった方がどの被保険者だったかで窓口が分かれます。
4.2 まず亡くなった方の被保険者の種別を確かめる
自営業の方や学生など国民年金の第1号被保険者だった方の遺族であれば、市区町村役場の窓口で手続きできます。
どちらか分からないときは、市区町村役場か年金事務所に電話で確かめてから出向くと二度手間になりません。
どの年金を請求するのかが決まると、出す先も自然に決まります。亡くなった方の被保険者の種別を先に確かめてから窓口に向かうようにしましょう。
