管理職になると年収はどれくらい上がるのでしょうか。厚生労働省の調査によると、所定内給与の平均は部長63万5800円、課長52万9200円で、非役職者の31万500円を大きく上回ります。
本記事の後半では、収入が増えたのに手元に残らないという方から届く「固定費をどこから見直せばよいか分からない」というご相談を取り上げます。見直しの順番について、IFAの神田 翔平が回答します。
収入が増えた方ほど、家計を見直す時間が取れないというお話をよく伺います。忙しさのなかで支出だけが膨らんでいくと、年収が高くても手元には残りません。まずは管理職の収入水準と働き方の実態を確認していきます。
そのうえで、収支を見直ししていく際のポイントについても解説していきます。
1. 【年収一覧表】部長・課長・係長はいくら受け取っているか
厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」の役職別データから、中間管理職の賃金と年収をみていきます。
1.1 部長・課長・係長の平均賃金一覧表(月額の所定内給与)
所定内給与とは、6月分のきまって支給する給与から残業代などを除いた、税引き前の金額です。男女計・男女別の平均は次のとおりです。
- 部長:男女計 63万5800円(男性 64万2400円/女性 57万8300円)
- 課長:男女計 52万9200円(男性 54万1400円/女性 47万300円)
- 係長:男女計 39万9200円(男性 41万900円/女性 36万5700円)
- 非役職者:男女計 31万500円(男性 33万2100円/女性 28万100円)
1.2 部長・課長・係長の平均年収一覧表(賞与を年4か月分と仮定・男女計)
月額の賃金に、賞与を年4か月分と仮定して加えた年収の目安は次のとおりです。
- 部長:約1017万円
- 課長:約847万円
- 係長:約639万円
- 非役職者:約497万円
比較のために全体像もみておきましょう。国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」(2025年9月公表)の平均給与は478万円で、中間管理職の年収はこれを上回ります。
月額でみると、部長の賃金は非役職者のおよそ2.05倍、課長は約1.7倍、係長は約1.29倍です。数字だけをみれば、役職に就くことは「割に合う」ようにも思えます。ところが、その裏側には別の現実があります。
2. 中間管理職の86.8%がプレイングマネージャー
一般社団法人日本経営協会が2026年7月に公表した「第8回 日本のミドルマネジャー意識調査」(部下を持つ課長〜部長級539名・2025年10〜11月)によると、プレイヤーとして自分の実務も兼ねている人は86.8%にのぼりました。およそ9割が「プレイングマネージャー」で、マネジメントに専念できているのは13.2%だけです。
マネージャーに割ける時間をみると、最多は民間企業等が4~6割で36.3%、行政・自治体は7~9割が35.0%でした。
業務負担をみると51.0%が「増えた」と回答し、最大の悩みは「部署の人材不足」で50.3%。人が足りず、自分も現場を回さざるを得ない。そんな姿が浮かびます。
一方で、仕事に充実感が「十分ある」「それなりにある」と答えた人は合わせて70.5%。管理職は罰ゲームとは言われるものの、充実感を感じている人もいます。よく言われる言葉には踊らされず、自身の適性や希望とじっくり向き合うことが大切です。
一方で、これからも管理職として働き続けるために必要なこととして、もっとも多く挙げられたのは「生活(プライベート)の安定」(39.9%)となっており、業務内容は引き続き検討が必要な状況となっています。管理職は罰ゲームといわれる状態を防ぐには、組織構造やDXを活用した効率化などの変化が必要でしょう。
