お楽しみ会の花形でもある手品やお笑いを担当する子供達は、いかにも現代的な練習をしています。筆者の子供達や近所のママさんから聞くと、練習をするのにYouTubeを利用している子が多いというのです。本を見ながらよりも、動画で確認した方が理解するのも早く済むようです。手品用品も100均で簡単に手に入るので、昔に比べて手品を披露するハードルが低くなっているのは間違いありません。

もう一つの花形であるお笑いに関しても、係の子同士がYouTubeで面白そうな動画を探し、「サンドウィッチマンの○○を、舞台をクラスに変えてやると受けるかも」など意見を言い合います。意見が一致したらコントや漫才のネタをアレンジして各パートを練習し、本番が近くなると休み時間に階段の踊り場でこっそり練習して微調整を繰り返すそうです。

筆者の子供達に聞くと、お笑いを担当する子は常日頃からネットの動画サイトで人気芸人のネタを検索し、楽しんでいる子ばかりとか。テレビを介することがほとんどないのは、時代を反映していると感じてしまいます。

今のお楽しみ会はお菓子などの持ち込み禁止

筆者が小学生だった時、全てのお楽しみ会とは言いませんが、それなりの頻度でお菓子などの持ち込みがOKだったと記憶しています。子供のアレルギーに対する知識や認識が浸透していなかった時代には、お楽しみ会でお菓子を持参することは特別珍しいことではありませんでした。

ある年、近所の酒屋からジュースを買ってきた同級生の男の子が、会が進むにつれて顔が赤くなってきました。周囲に座っていた子たちがジュースをよく見ると、その頃CMで流れていたお酒だということに気がついたのです。先生は慌てて男の子を保健室に連れていき、水を飲ませてベットで休ませました。その2時間後、男の子は元気に教室に戻ってきましたが、「酒屋のおじさん、ジュースだと勘違いしていたよ」と思わぬ騒動を笑い飛ばしていました。

そういった昔話を子供達にすると、「信じられない!」という反応をされます。たしかに、今の小学校ではアレルギーなどの観点からお菓子の持ち込みを禁止にするのは当然の対応でしょう。お菓子タイムがない分、クイズや手品などの出し物を充実させる必要があるようで、子供達から聞くお楽しみ会は、昔に比べても演目が多い印象があります。

お楽しみ会を通じて仲間意識を高められる

子供達の様子を見ていると、お楽しみ会を通じてクラスメイトと協力をし、会を盛り上げようと努力しているのを感じます。一つのことを成し遂げるために、仲間と力をあわせることはとても大切なことです。そういった経験を、お楽しみ会で学ばせようと先生方は考えていると、親となった今は理解できるようになりました。

昔のように一部の生徒だけに負担がかかる楽しみ会から脱却し、クラスが一つになって作り出そうとしている今のお楽しみ会は、子供の成長を促すことに役に立っていると感じています。

中山 まち子