生活保護を受けている世帯では、子どもの進学をあきらめるしかないと考えてしまうことがあります。
厚生労働省は、生活保護世帯の中学生や高校生が進路を選択するにあたり必要となる情報や、受け取ることができる支援策等をまとめた進路支援冊子を公表しています。
この記事では進路選択を支える3つの取り組みを確認したうえで、ひとり親世帯の住民税非課税の境目を見ていきます。
1. 【生活保護】子どもの進路選択を支える3つの取り組み
厚生労働省は「子どもの進路選択支援等」として、情報提供・事業・データの3つを並べています。
1.1 1つめは進路支援冊子「〇カツ!」
子どもの進路に関する情報をまとめたものが、進路支援冊子「〇カツ!」です。
対象は生活保護世帯の中学生や高校生で、進路を選択するにあたり必要となる情報や、受け取ることができる支援策等が載っています。厚生労働省のページには令和7年度改訂版が掲載されています。
あわせて、各都道府県や市町村が使えるように、編集可能な資料編のデータも掲載されています。自治体が地域の事情に合わせて作り直せるようになっているということです。
1.2 2つめは子どもの進路選択支援事業
子どもの進路選択支援事業は、令和6年10月から制度化された事業です。
厚生労働省は、令和7年度に事業を実施した自治体の協力を得て、未実施の自治体を含めた各自治体の参考となるよう、事業概要及び具体的な支援事例を取りまとめています。
制度化されたのが令和6年10月なので、まだ実施していない自治体もあるということです。住んでいる地域で使えるかどうかは、福祉事務所の生活保護担当に確認してください。
1.3 3つめは進学率等のデータと調査研究
3つめは数字の裏づけです。
厚生労働省は高等学校、大学の進学率等の推移を公表しています。生活保護世帯の子どもの進学がどう変わってきたかを見られる資料です。
さらに「生活保護世帯出身の大学生等の生活実態の調査・研究」委託事業の報告書も掲載されています。進学したあとの暮らしまで含めて調べられているということです。
進学率のデータと、進学後の実態調査が並んでいるという構成です。進学できたかどうかだけでなく、その先も見られているということになります。
あわせて厚生労働省は、無料低額宿泊所・日常生活支援住居施設に関する調査結果や、被保護者健康管理支援事業の資料も同じページに掲載しています。生活保護の周辺には、進路以外の支援も並んでいます。
1.4 資料編が編集可能な形で置かれている理由
3つの取り組みのうち、冊子だけは自治体向けのデータも用意されています。
厚生労働省は「〇カツ!」のPDFとあわせて、資料編を編集可能な媒体で掲載し、各都道府県や市町村に活用を呼びかけています。
進学先の情報や利用できる支援策は地域によって違うため、国が作ったものをそのまま配るだけでは足りないという前提があるということです。
裏を返せば、手元に届く冊子の中身は自治体ごとに差が出ます。住んでいる地域の版で何が案内されているかは、担当のケースワーカーに聞いてみるのが早いところです。
1.5 生業扶助には高等学校等の就学費用が含まれる
進路の話とあわせて押さえておきたいのが、扶助の中身です。
生活保護の8種類の扶助のうち生業扶助は、就労に必要な技能の修得等にかかる費用に対応するもので、ここに高等学校等に就学するための費用が含まれます。
支給は定められた範囲内で実費とされ、高等学校等に就学するための費用の一部は定められた基準額での支給です。また義務教育を受けるために必要な学用品費等は、教育扶助として支給されます。
どの扶助がいくら出るかは世帯の状況によって変わりますので、詳しくは福祉事務所の生活保護担当にご確認ください。
なお、ひとり親の住民税非課税の判定や、非課税かどうかの確認方法に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。


