2019年8月1日に行われた、株式会社スカパーJSATホールディングス2020年3月期第1四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:株式会社スカパーJSATホールディングス 代表取締役社長 米倉英一 氏

連結損益概要

米倉英一氏:みなさんこんにちは。米倉でございます。本日はお忙しいなかお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。2019年度第1四半期決算及びメディア事業、宇宙事業の取り組みについて、説明させていただきます。

はじめに、2019年度第1四半期連結決算の概要です。営業収益で約243億円減の345億1,900万円となり、当期純利益は約9億円減の24億6,400万円となりました。

これは、2018年度第1四半期は防衛省向けの衛星の打ち上げに成功し、引渡しによる売上がありましたが、2019年度はその分(の剥落)が宇宙事業の営業収益、利益に影響しているためです。

通期予想の営業収益1,435億円、当期純利益100億円に対する達成率は約24パーセントで、ほぼほぼ計画どおりに進んでおります。

メディア事業の業績概況:前年同期比

メディア事業の業績の概況でございます。前年同期との比較では、営業収益は8.7億円減少し、249億8,500万円となりました。

累計加入件数の減少に伴いまして、視聴料収入が11億円、業務手数料収入が2億円減少しておりますが、光回線によるテレビ再送信サービス関連の収入は5億円増加しております。

営業費用は7.3億円減少し、243億3,100万円となりました。視聴料収入の減少に伴って、番組供給料が5億円減少しております。

東京メディアセンターの設備更新により、減価償却費が8億円、2018年12月の新4K8K衛星放送開始に伴い、衛星回線料が3億円増加しました。

一方、コストコントロールにも努め、「BSスカパー!」などの番組制作にかかるコンテンツ費用が8億円、顧客獲得のための販売促進費などの費用も5億円を削減しております。

営業利益は約1億円減の7億円でございます。

宇宙事業の業績概況:前年同期比

宇宙事業の業績概況です。

営業収益は、防衛省向け衛星引渡しの剥落により、229.7億円減少の125億7,000万円となりました。2018年12月の新4K8K衛星放送開始に伴うトランスポンダ収入が3億円増加しております。

また、当社初のHTSである「Horizons 3e」は2019年1月から稼働しておりますが、連結決算においては2019年度第1四半期から取り込むことになり、1億円の増加です。のちほどご説明させていただきますが、今後利用開始予定のお客さまもおられ、「Horizons 3e」の営業収益はさらに伸びる計画です。

営業費用は221.6億円減少し93億円。防衛省向けに売却した衛星事業原価等が223億円減少した一方、「JCSAT-5A」の減価償却終了等により、減価償却費が2億円減少し、「Horizons 3e」を保有する北米子会社の営業費用が3億円増加しました。

光回線を使ったテレビサービスの拡大(地デジ・BS再送信)

メディア事業部門の取り組みについて、少し詳しく説明させていただきます。はじめに、光回線を用いた地上波・BS再送信サービスの取り組みについてです。

2019年9月1日より、新4K8K衛星放送のうちに、新たに13チャンネルの提供を開始します。これにより、2018年12月より提供しているBS各局の4K放送と合わせ、現在放送されている新4K8K衛星放送の全チャンネルの受信に対応することになります。

さらに、光対応新4K8K衛星放送アダプターのお申し込み受付を、2019年8月26日より開始いたします。スライド左下の絵のとおり、テレビ端子と対応テレビの間にこのアダプターを繋ぐだけで、宅内配線設備を回収することなく、NHK、BS8Kを含む全チャンネルの視聴が、本サービス経由で可能となります。

アダプターは、たばこの(箱の)大きさよりも少し大きいくらいで、そんなに重たいものでもなく、ポケットに入る大きさです。10センチ幅程度でコンパクトになっておりますので、ぜひお買い求めいただきたいと思っております。

大手マンションデベロッパーや設計事務所を中心に問い合わせが増加しておりまして、マンションの新築物件での光サービス受注が拡大しています。2019年7月時点では、前年度比約130パーセントと大きく伸びております。

今後、ラグビーワールドカップ、東京オリンピック等をきっかけに、既存物件も含めてさらなる受注拡大が見込まれております。

光回線を使ったテレビサービスの拡大(地デジ・BS再送信))

新4K8K衛星放送などのサービス拡充に伴い、テレビ視聴サービスのご利用料金を、2018年12月より月額210円から月額300円に値上げさせていただきました。これにより、テレビ視聴サービスの登録料・利用料による収益も、2018年度から15億円拡大し、2019年度は80億円となる見込みです。

スカパーJSATの光回線を用いた地上波・BS再送信サービスの契約世帯は、2019年6月末時点で約223万世帯となりました。日本全体で5,300万世帯のうち、26都道府県、約3,000万世帯への提供が可能な状況になっています。NTTさんと協業し、提供エリアの拡大も進めていく予定です。

2019年度は、新4K8K衛星放送を追い風にして、契約数の拡大を目指していきます。その上で、再送信サービスを契約しているお客さまをベースとして、多チャンネルサービスも加入を促進し、とくに「スカパー!」サービスの加入拡大を目指していきたいと思っております。

魅力あるコンテンツの追及

今後のコンテンツのラインナップについて、簡単にご紹介させていただきます。

1つ目は、新シーズンの開幕を迎える欧州サッカーです。長谷部選手や大迫選手ら、日本人選手が活躍しているドイツブンデスリーガの全試合放送に加え、先日ポルトガルの強豪クラブ、FCポルトへ移籍した中島翔哉選手の出場予定試合を放送してまいります。

そして、いよいよ2019年9月20日に開幕を迎えるラグビーワールドカップ日本大会は、J SPORTSで全48試合を生中継いたします。また、今大会は4Kでも、全試合生中継でお送りします。世界で初めて全試合を通じて4K制作され、今までにない高画質、臨場感でお楽しみいただけるのではないかと思います。

音楽ライブは、東方神起などが出演する「a-nation 2019」や、スマートフォン向け人気リズムゲーム「アイドリッシュセブン」の2nd LIVE「REUNION」を独占放送いたします。

インターネット配信限定のサッカー新商品を発売

先ほど欧州サッカーについてご説明いたしましたが、インターネット配信限定のサッカー新商品「ブンデス・ポルトガルLIVE」を本日から新たに発売いたします。

ブンデスリーガの全試合に加えて、中島翔哉選手の出場予定試合をオンデマンドで独占LIVE配信いたします。料金は月額925円でございます。

「スカパー!」初のオンデマンド専用商品として、月額1,000円を切る価格で、スマホなどでいつでも楽しめるという商品を提供してまいります。

“次世代型テレビ”の実現へ向けた協業

2019年7月に発表しましたが、スカパーJSAT、LINE、伊藤忠商事の3社は、次世代型テレビの商用化を目標とした協業基本合意書を締結いたしました。

次世代型テレビは、AIアシスタントなどの最新技術を用いて、映像サービスと各種生活情報サービスが融合した新たな顧客体験「DIVE INTO MEDIA, LIVE WITH MEDIA」をコンセプトとして、人々のすべての時間において、人と情報、サービスの距離感を縮めて、安心・快適で豊かな生活を実現することを目的とした、新しいテレビのかたちです。

新衛星3機による基礎収益力向上

宇宙事業のご説明でございます。2019年度、宇宙事業では新たに「JCSAT-17」「JCSAT-18」の打ち上げを予定しております。

2019年5月の2018年度通期決算説明会でもご説明したとおり、これら2機の衛星と、2018年に打ち上げた「Horizons 3e」の3機の新規衛星投入によって、宇宙事業として2020年度の600億円台の営業収益を実現すべく、営業活動を続けています。

新型衛星 High Throughput Satelliteの投入(Horizons 3e)

先ほどからご説明している「Horizons 3e」は、当社初のHTS衛星でございます。アジア・太平洋エリアの旺盛な需要を取り込むべく、2018年9月に打ち上げました。2019年1月からサービス提供を開始しており、現在順調に契約者数を増やしております。

携帯バックホールや船舶、航空機向けのモバイル通信だけではなく、固定局によるインターネット通信など、さまざまな用途で国内外のお客さまに広くご利用いただいております。

また、今後利用開始予定の契約も複数獲得しておりまして、さらなる収益の拡大を見込んでおります。

2019年度打ち上げ予定の「JCSAT-17」「JCSAT-18」につきましては、順調に建造が進んでおります。

衛星フリート図

衛星フリート図です。「Horizons 3e」を加えた17機体制でサービスを提供しております。

また、今後は新規衛星の2機に加え、2019年12月頃にJAXAさんから「SDS-4」衛星を譲り受ける予定となっております。こちらは当社が所有する初の低軌道衛星となる予定です。

以上でご説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。

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