2019年8月にシヤチハタ㈱から『迷惑行為防止スタンプ』がテスト販売されて話題を集めました。
元はと言えば、Twitter上で痴漢対策として「安全ピンで突き刺せばいい」という意見が拡散したことから生まれたアイディアでした。
『迷惑行為防止スタンプ』はUV発色インキが使用されており、ブラックライトを当てるとマークが浮かび上がるようになっています。
テスト販売されたこのスタンプはすぐに売り切れ、痴漢対策への関心が高いことを改めて示しました。(9月28日現在はテスト販売を再開しています)
しかし、このスタンプについて賛否両論あります。痴漢えん罪を助長するのではないかという指摘も存在します。
『迷惑行為防止スタンプ』から、痴漢被害とえん罪両面の痴漢対策について考えてみましょう。
恐怖心で何もできない人を救える可能性がある
実際に痴漢に襲われたときに、勇気を出して手を掴んで大声をあげることはなかなか難しいと思います。
しかし、痴漢はそのままなされるがままにしてしまうと、犯人はどんどんエスカレートしてしまうので、何か抵抗が必要なのです。
そんなときにスタンプを使うのが一手となります。
犯人の手に「ギュッ」とスタンプを押すことで、犯人は「しまった」と思うことでしょう。行為がエスカレートする前に止められる可能性があります。やられっぱなしになることはありません。
また、何か抵抗ができるというだけでも心に余裕ができるはずです。
これまでどれほどの女性が何も言わないまま、されるがままに痴漢被害を受けてきたのでしょうか。そこにつけ込んだ卑劣な犯行も数多くあったはずです。
「痴漢をすると、声を上げない人からはスタンプを押されてしまうかもしれない」
という発想が広がれば「あの人は声をあげられなさそうだ」と思われてしまう人でも、痴漢は手を出せなくなるので、一定の抑止力はあるのではないかと期待できそうです。