年金生活者支援給付金は、令和8年10月分から所得の基準額が改定され、昭和31年4月2日以後に生まれた人は「82万6500円以下」が目安になりました。9月から順次届いている請求書は、この10月分からの給付を請求するためのものです。

この給付金は、基礎年金を受け取っている人が所得などの要件を満たすと、年金に上乗せして受け取れるものです。ただし、対象になっていても請求しなければ受け取れません。

この記事では、3種類ある年金生活者支援給付金のうち、高齢者世帯との関わりが深い「老齢年金生活者支援給付金」を中心に、受け取れる人の要件、2026年度の給付額、支給日、請求の流れを確認します。

鶴田 綾
年金生活者支援給付金は、要件を満たしていても自動的には受け取れない制度です。ご相談を受けるなかでも、「そもそも制度を知らなかった」という声を多く耳にします。まずは制度の仕組みを正しく理解し、ご自身が対象になるかどうかを確認することが大切だと感じています。

なお、老齢年金生活者支援給付金の支給要件・給付額、および国民年金・厚生年金の平均年金月額に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。本文中の引用部分は引用ブロックで示しています。

【増額が決定!】2026年4月分からの「年金生活者支援給付金」給付基準額はいくらに?《支給対象になる人》や手続き方法を解説 《老齢・障害・遺族》年金受給者がプラスでもらえる給付金とは?
【増額が決定!】2026年4月分からの「年金生活者支援給付金」給付基準額はいくらに?《支給対象になる人》や手続き方法を解説 《老齢・障害・遺族》年金受給者がプラスでもらえる給付金とは?
【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説

1. 年金生活者支援給付金は3種類。新たに対象になると、9月から順次緑色の封筒で請求書が届く

年金生活者支援給付金は、基礎年金を受け取っている人が所得などの要件を満たしたときに、年金に上乗せして支給される給付金です。受け取っている年金の種類ごとに、次の3つがあります。

  • 老齢年金生活者支援給付金
  • 障害年金生活者支援給付金
  • 遺族年金生活者支援給付金

すでに基礎年金を受け取っている人が、所得が下がったことなどで新たに対象になった場合は、例年9月の第1営業日から順次、「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が緑色の封筒で届きます。

※老齢基礎年金を繰上げ受給している人には、65歳になる誕生月の初旬(1日生まれの人は前月の初旬)に届きます。

はがき型の請求書が届いたら、郵送のほかに電子申請でも提出できます。スマートフォンやパソコンとマイナンバーカードを使って電子申請した場合は、はがきを郵送する必要はありません。

鶴田 綾
緑色の封筒で届く「はがき型」の請求書は、うっかり見落としてしまいやすいものです。電子申請にも対応しているので、郵送での提出が難しい方はマイナンバーカードを使った申請も検討してみるとよいでしょう。

2. 老齢年金生活者支援給付金を受け取れる人。所得の基準は10月分から82万6500円以下に

ここからは、3種類のうち高齢者世帯の暮らしと関わりが深い「老齢年金生活者支援給付金」について見ていきます。

厚生労働省によると、次の3つの要件をすべて満たすと、老齢年金生活者支援給付金の支給対象になります。金額は令和8年10月時点のものです。

  • 65歳以上で、老齢基礎年金を受け取っている
  • 同じ世帯の全員が市町村民税非課税である
  • 前年の公的年金等の収入金額とその他の所得の合計額が、昭和31年4月2日以後に生まれた人は82万6500円以下、昭和31年4月1日以前に生まれた人は82万4100円以下(※)である

9月分までの基準額は、昭和31年4月2日以後に生まれた人で80万9000円、昭和31年4月1日以前に生まれた人で80万6700円でした。10月分からは、それぞれ1万7500円、1万7400円引き上げられています。

なお、障害年金や遺族年金などの非課税収入は、この所得の判定には含まれません。

※昭和31年4月2日以後に生まれた人で82万6500円を超え92万6500円以下の人、昭和31年4月1日以前に生まれた人で82万4100円を超え92万4100円以下の人には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。

鶴田 綾
所得の基準額をわずかに超えてしまう方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」という受け皿もあります。基準額ギリギリだからと諦める前に、ご自身の所得を一度きちんと計算してみることをお勧めします。

3. 2026年度の給付基準額は月5620円。実際の平均給付月額は4146円

年金生活者支援給付金の額は、物価の変動を反映して年度ごとに改定されます。2026年度分は、前年度から3.2%の引き上げとなりました。

年金生活者支援給付金の支給金額2/3

年金生活者支援給付金の支給金額

出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成

老齢年金生活者支援給付金(月額):5620円(※基準額)

月5620円はあくまで基準となる額で、実際に受け取る額は、保険料を納めた期間などに応じて決まります。厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2025年3月時点の老齢年金生活者支援給付金の平均給付月額(※)は4146円でした。

※2025年3月に認定されている人の平均給付金額

納付済期間と免除期間の組み合わせで月額がどう変わるかは、【年金生活者支援給付金】老齢は全員が月5620円ではない。納付済240カ月・全額免除60カ月なら月4281円で確認できます。

3.1 支給日は年金と同じ偶数月の15日。年金とは別の振込として入る

年金生活者支援給付金は、年金と同じく年6回、偶数月の15日に支払われます。15日が土曜・日曜や祝日にあたるときは、その直前の平日です。年金と同じ日に同じ口座へ振り込まれますが、振込は年金とは別になるため、通帳には2つの記録が並びます。1回に支払われるのは前月までの2カ月分で、10月には8月・9月分、12月には10月・11月分が入ります。

鶴田 綾
給付金は年金と同じ日に振り込まれますが、記録としては別枠になります。通帳を見て「今回は年金が多いな」と感じたら、給付金が上乗せされている可能性も考えてみるとよいでしょう。

4. 公的年金の本体はいくら?国民年金は月5万9310円、厚生年金は月15万289円

給付金が上乗せされる公的年金そのものは、いまのシニアにどのくらい支給されているのでしょうか。厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、国民年金と厚生年金の平均年金月額を、男女全体と男女別で確認します。

平均年金月額は、国民年金(老齢基礎年金)でおよそ6万円、国民年金部分を含む厚生年金でおよそ15万円です。

4.1 国民年金の平均は月5万9310円

  • 〈全体〉平均年金月額:5万9310円
  • 〈男性〉平均年金月額:6万1595円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万7582円

4.2 厚生年金の平均は、国民年金部分を含めて月15万289円

  • 〈全体〉平均年金月額:15万289円
  • 〈男性〉平均年金月額:16万9967円
  • 〈女性〉平均年金月額:11万1413円

※国民年金の金額を含みます。

現役時代にどう働き、どの年金にどれだけ加入していたかの違いが、老後の年金額の男女差や個人差となって表れています。