国税庁が公表した「令和6年分民間給与実態統計調査」によれば、日本国内における給与所得者の平均給与は477.5万円でした。

女性の平均給与は333.2万円となっており、全体平均を大きく下回る水準にとどまっています。

平均給与の推移(1年を通じて勤務した給与所得者)1/3

平均給与の推移(1年を通じて勤務した給与所得者)

出所:国税庁長官官房企画課「令和6年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-令和7年9月」をもとにLIMO編集部作成

「今の職場でいくら頑張っても、年収400万円が遠い……」と感じている場合、その原因は個人の能力や努力不足ではなく、「所属している業界の構造」にあるかもしれません。

本記事では、女性の年収400万円到達を阻む「業種間のギャップ」に着目し、年収の天井を突破するための業界戦略について詳しく解説します。

この記事の3つのポイント

  •  女性で年収400万円超は31.0%:業界選びが最大の要因
  •  女性平均500万円超の2大業界は金融・保険と情報通信
  •  低給与業界からの脱却、同業界内での年収アップ策も紹介

女性の年収400万円超は31.0%。「頑張り」の前に立ちはだかる業界の壁

給与階級別分布グラフ(全体・男女別)2/3

給与階級別分布グラフ(全体・男女別)

出所:国税庁長官官房企画課「令和6年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-令和7年9月」をもとにLIMO編集部作成

和田 直子
このデータを見ていつも感じるのは、「頑張っているのに給料が上がらない」という悩みの背景には、本人の実力とは別の「業界構造」が大きく関わっているという点です。同じ努力量でも、所属する業界によって評価される金額の上限そのものが違う、という事実は、意外と知られていないのではないでしょうか。

国税庁のデータによると、女性で年収400万円超を達成している割合はわずか31.0%にとどまります。男性の67.8%と比較しても非常に大きな開きがあり、女性にとって「年収400万円」は一つの高いハードルとなっているのが現状です。

しかし、このハードルの高さは一律ではありません。年収400万円に届くかどうかを大きく左右しているのが「どの業界で働くか」です。

同調査における業種別の平均給与を見ると、最も平均給与が高い業種(電気・ガス・熱供給・水道業:832.4万円)と最も低い業種(宿泊業・飲食サービス業:279.3万円)の差額は、実に約553.1万円に達します。

個人の努力や残業時間で埋めるには限界があるほどの給与差が、業界の構造によって生じています。

女性平均でも500万円超!「金融・保険」「情報通信」が高年収な理由

業種別平均給与ランキング3/3

業種別平均給与ランキング

出所:国税庁長官官房企画課「令和6年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-令和7年9月」をもとにLIMO編集部作成

和田 直子
金融・保険や情報通信といった業界が高年収である理由は、単に「大変そうだから」ではなく、ビジネスモデルそのものの利益率の高さに起因しています。こうした業界構造を知らないまま「自分の頑張り不足」だと思い込んでしまっている方は少なくないでしょう。まずは自分の業界の立ち位置を客観的に知ることが、キャリアを考える第一歩になります。

全14業種の中で、女性のみの平均給与データに絞っても500万円を超えている業界が2つ存在します。

  • 金融業・保険業:女性平均 502.0万円
  • 情報通信業:女性平均 502.3万円

全体の女性平均給与が333.2万円であることを考えると、この2業種に身を置くだけで「年収400万円超(上位31.0%)」に入る確率は格段に高まります。

なぜこの2業界は給与が高いのか?

  • 高い利益率と生産性:形のない「サービス・情報・金融商品」を扱うため、仕入れコストや原価率が低く、粗利益率が高いビジネスモデルを確立しています。
  • 専門性と専門職手当:ITスキルや金融知識など専門性の高い業務が多く、スキルに応じた昇給制度や資格手当が充実しています。
  • 制度の整った大手企業の多さ:育児休業や時短勤務などの両立支援制度が整っており、ライフイベントを挟んでもキャリアや役職を維持しやすい環境が整っています。