育休中に一緒に育児ができたとしても、それが終わればまた残業で帰宅時間が遅くなるということなら、結局は母親のワンオペ育児状況になってしまいます。そのため、育休よりも毎日の帰宅時間を早くして、夕食やお風呂、寝かしつけをしてほしいと思う母親も多いでしょう。

夫が平日の帰宅後にできることは少ないかもしれませんが、子供のお風呂は夫に任せて、自分一人でお風呂に入るなど、子どもから少しでも目を離せる時間があるだけで心の余裕が全然違います。

核家族で頼る人が夫しかいない家が多い中、夫の帰宅時間が早くなり、少しでも育児に参加してもらえるようになれば、母親の負担を継続的に減らすことができます。

収入が減る、会社での立場が悪くなるなら働いてほしい

育休を取る場合、給付金の支給額は最初の半年で賃金の67%、それ以降は50%となり、社会保険料は免除になるものの収入の減少は避けられません。

産後の体調が悪い場合は、収入が減っても休んでほしいと思うかもしれませんが、体にトラブルはなく、里帰り出産で実家の両親のサポートもあるという場合、「収入が減ってしまうなら働いたほうが良い」と結論づける家庭もあるといいます。このようにすべての家庭が男性の育休を望んでいるわけではないようです。

おわりに

男性の育休義務化は良い傾向に思いますが、実際に育休中に積極的な育児参加がなければ意味がありません。やる気があっても「何をすれば良いかわからない」という人も多いでしょうから、父親教室のようなセミナー取得を必須にして育休を取るという流れも必要かと思います。

また、妻たち全員が育休を望んでいるわけではなく、育休よりも恒常的に帰宅時間を早くしてほしい、収入が減るなら育休はいらないという意見もあります。

これらの問題は解決するのにまだまだ時間がかかりそうです。しかし、なにより大切なのは父親の「育児参加の姿勢」ではないでしょうか。育休があってもなくても、「一緒に子どもを育てる」という気持ちと行動こそが妻たちが本当に求めているものなのです。夫婦で協力して、大変な時期を乗り切れると良いですね。

勝目 麻希