夫が仕事をして稼いでくる部分に関しては妻にとって「テイク」ですが、仕事に加えて家事育児もしている妻としては、圧倒的に「ギブ」が多過ぎるように感じるのです。なぜなら家事一つとっても、目に見える家事から目に見えない家事まで「ギブ」だらけ。ましてや、育児は「最大のギブ&ギブ」です。
夫婦関係が「ギブ&テイク」に変化することで、それまでの不満も落ち着きました。体力にも少し余裕が出て、ようやく夫の立場も考えられるようになったのです。そこで初めて、自分が周囲のことを考える心身の余裕を失うほど忙しく、疲れていたことにも気付きました。
夫婦間で競争するより、お互いのキャリアをサポート
共働きといっても、雇用形態・勤務時間・職種・役職などで夫婦間で優劣や競争意識が出てくるのが、現代の問題の一つでしょう。
ただ長い目で見れば、育児に集中するのは小学校低学年まで。一方で、仕事は何十年も続けるもの。今後は月給が急に跳ね上がるのを期待することは難しく、10年後にはAIの台頭によってなくなる仕事も出る時代。今の育児世代は、いわゆる”老後2000万円問題”も抱えています。病気やリストラといった問題も、誰にでも付きものです。
育児、介護、老後資金、ローン、病気、リストラなどは、夫婦2人の問題。競争をしている場合でなく、これからは夫婦ともにキャリアを築く道をサポートし合う意識を持つと良いでしょう。
何より「お互いのため」を考えることで、女性側の「何で私ばかり」「私さえ我慢すればいい」といった気持ちが薄れ、思いやりが生まれます。自分を大切にして初めて相手を思いやれるということに関しては、男も女も関係ないのです。
わが家に関していえば、平日に夫が家事育児に参加するようになり、筆者が仕事をすることも増えました。まだまだ変わらぬ部分もありますが、長い目で見て夫婦で協力体制を築けるようにしていきたいと思います。
永山京子