老後の生活を見据えたとき、今準備している資金で本当に足りるのかと不安に感じる方は少なくないでしょう。

特に、昔から続けている保険だけで十分なのか、物価高で資産が目減りしてしまうのではないかという声もよく聞かれます。

まずは、公的年金がどのくらい受け取れるのか、最新のデータから確認していきましょう。

この記事の年金額データなどの数値は、以下の記事を引用しています。

【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説

1. この記事の3つのポイント

  • 令和8年度の年金額は、国民年金・厚生年金ともに前年度から引き上げ
  • 厚生年金の平均月額は男女で約6万円の差、国民年金は数千円程度の差
  • 40代夫婦の実例から、保険の見直しと外貨・NISAを使った資産配分の考え方を解説

2. 令和8年度の年金額はいくら?

公的年金の受給額は、物価や賃金の動向を踏まえて年度ごとに見直されます。2026年6月支給分(4月・5月分)からは、国民年金(基礎年金)が前年度から1.9%、厚生年金(報酬比例部分)が2.0%引き上げられました。

  • 国民年金(老齢基礎年金・満額、1人分):7万608円(前年度比+1300円)
  • 厚生年金(夫婦2人分のモデル年金):23万7279円(前年度比+4495円)

※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額7万408円(前年度比+1300円)
※厚生年金のモデル年金は、「男性の平均的な収入(平均標準報酬〈賞与含む月額換算〉45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金〈満額〉)の給付水準

このモデル年金23万7279円は、あくまで平均的な収入で40年間働いた世帯を想定した「例」であり、実際に受給者一人ひとりが受け取っている平均額とは異なります。次の章では、実際の受給者全体の平均額を確認してみましょう。

松本 真奈
「モデル年金」はあくまで一つの例であり、自分自身の受給額とは限りません。特に、自営業期間がある方や、収入・勤続年数がモデルと異なる方は、この金額を基準にすると老後資金の見通しを誤ってしまう可能性があります。ご自身の見込額は「ねんきん定期便」等で確認しておくことをおすすめします。

3. 【厚生年金・国民年金】シニア世代の年金額はひと月いくら?

ここからは、実際に年金を受け取っている全受給権者(60歳~90歳以降)の年金月額を、厚生労働省の統計から確認します。

厚生年金《平均月額の男女差・個人差》2/3

厚生年金《平均月額の男女差・個人差》

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

3.1 厚生年金(国民年金を含む)の平均月額

  • 全体:15万289円
  • 男性:16万9967円
  • 女性:11万1413円

国民年金《平均月額の男女差・個人差》3/3

国民年金《平均月額の男女差・個人差》

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

3.2 国民年金の平均月額

  • 全体:5万9310円
  • 男性:6万1595円
  • 女性:5万7582円

厚生年金は男女差が6万円ほどあるのに対し、国民年金の男女差は数千円程度にとどまります。これは、厚生年金の受給額が現役時代の収入や加入期間に大きく左右されるためです。

松本 真奈
厚生年金の平均月額15万289円は心強く見えますが、これは会社員として長期間働いてきた方も含めた全体の平均です。加入期間や収入によって数万円単位の差が出るため、平均額だけを見て「自分もこのくらいもらえる」と安心してしまうのは危険です。年金だけで老後の生活費をまかなえるかどうかは、必ず自分自身の見込額で確認しておきましょう。

4. FPが伝える「年金だけに頼らない老後準備」の結論

ここまで見てきた年金額は、あくまで制度上のモデルや全体の平均にすぎません。自分自身が将来いくら受け取れるのかは、加入期間や収入によって大きく変わります。

年金の見込額を確認したうえで不足が見込まれるなら、今ある資産をどう活かすかを考える必要があります。

長年なんとなく続けている保険が物価上昇に対して十分な運用効率を持っているか、円資産に偏りすぎていないか、そして資金を「守り」と「攻め」にきちんと分けられているか。

この3点を一つずつ点検してみることが、老後準備の出発点になります。