2019年8月8日に行われた、株式会社NATTY SWANKY2019年6月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。IR資料

スピーカー:株式会社 NATTY SWANKY 代表取締役社長 井石裕二 氏

店舗推移①

井石裕二氏:最初に、簡単に会社の説明をさせていただきたいと思います。当社の設立は2001年で、設立から10年ぐらい経ってから「肉汁餃子製作所 ダンダダン酒場」という業態を開店しまして、東京の調布市に1号店を開きました。それから、このお店をどんどん増やして、現在は76店舗を展開している会社でございます。

「ダンダダン酒場」は居酒屋ではありますが、メインの「肉汁焼き餃子」という看板商品は、ほとんどすべてのお客さまに頼んでいただける商品になっています。「餃子とビールは文化です」というコンセプトで、今までにあまりなかった「焼き餃子を食べながらゆっくりお酒を飲める店」ということで、認知が広がってきています。

それでは、今期の業績からご説明いたします。店舗数は、直営・フランチャイズ店ともに増店しまして、76店舗まで増えています。今までは関東中心の展開で、今期もほとんど関東に出店してはいますが、直営店を福岡に3店舗出店しています。

なぜいきなり福岡に出店したかとよく聞かれますが、福岡は今、人口増加率も日本で一番多く、若い人が増え活気がある町になってきています。「天神ビッグバン」と呼ばれている再開発もどんどん行われていますし、今後も人口が増えることを見越して出店しました。また現在の福岡は、賃料も関東と比べるとかなり安いため、今のうちに出店しておこうという目論見もありました。

関東は、ターミナル駅の渋谷や赤羽などに出店しましたが、北綾瀬や戸越銀座など、郊外のローカル駅にも出店して、いずれも好調です。

店舗数

出店数の内訳は、直営店が15店舗です。計画では12店舗でしたが、3店舗余計に増店できました。そのかわりフランチャイズの出店は5店舗の計画でしたが、1店舗に終わるという寂しい結果になりました。この辺りは2020年6月期から、伊藤がフランチャイズ事業の事業部長として新しい部署を立ち上げて、力を入れていこうと思っているところでございます。

店舗推移②

内訳になりますが、新規出店は直営店が16店舗です。1店舗撤退がありますが、これは聖蹟桜ヶ丘店で、京王電鉄との契約満了のために撤退しています。

西葛西店はフランチャイズから直営店へ変更です。また、もともと直営店で、元店長が業務委託で営業していた武蔵中原店を完全にフランチャイズに移行しました。結果として、合計76店舗、新規出店は17店舗になっています。

エリア別店舗数

エリア別店舗数は、ご覧のとおりです。愛知の名古屋にフランチャイズの2店舗目をオープンしました。先ほど申し上げましたが、直営店を福岡に3店舗出店しています。

やはり東京が多いですが、今期からは埼玉・神奈川・千葉をはじめ、まだ手薄なところにもどんどん出店していきたいと思っています。

現状の業績動向(ハイライト)

売上高・営業利益は順調に成長しています。売上高は2018年6月期の29億3,900万円から39億8,300万円と、135.5パーセントです。営業利益も188.1パーセントになっています。

現状の業績動向(ハイライト・前期比較)

業績は、単純に直営店を増やしたため、売上が増加しています。当社の事業内容はすごくシンプルですので、「ダンダダン酒場」をどんどん増店していくことによって、売上も利益も増えていきます。

現状の業績動向(売上高内訳)

若干当初の予測から割れていた部分があります。そこはフランチャイズ店の4店舗の未達と、フランチャイズ店増店の計画がありました。フランチャイズ店が増えると餃子の生産・商品売上も増えるので、そこで若干割れたのが大きな要因でございます。

もう1つの要因としては、新店が月初からオープンする計画だったため、1ヶ月ぶん売上を乗せていましたが、工期やタイミングに問題がいろいろあったため月末オープンが重なったことが挙げられます。

既存店前年比推移

既存店の前年比です。正直に申し上げますと、上場する前は新規出店に力を使っていたので、それほど気にしておりませんでした。

この部分を非常にシビアに見られることがわかったので、最近は注力して100パーセントを超えてくるようになってきています。

今まで前年を割っていた原因として、主に東京の西側でドミナント出店していたため、同じ駅にもう1軒出店することなどによる多少の自社競合があげられると思っています。(現在は)そういう(自社競合していた)店舗も徐々に回復してきている状況でございます。

現状の業績動向(ハイライト・計画比較)

計画との比較です。37億4,200万円の直営店売上に対し、37億6,000万円と、ほぼ計画どおりでした。

製品卸売上は、フランチャイズ店への餃子の卸が若干下回ったことと、加盟金、ロイヤリティーなどの要因により(前年を)大きく下回ってしまったと反省するところでございます。

現状の業績動向(貸借対照表)

バランスシートはご覧のとおりです。大きく変わったこととしては、上場して資金調達させていただいたので、自己資本比率が47.9パーセントと非常に回復して、資金調達も問題ない状況になっていることです。

現状の業績動向(キャッシュフロー・主な内訳)

キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローで5億1,200万円とだいぶプラスになってきていまして、借入のぶんも賄える状態になっています。

株主還元

株主還元です。利益配分の基本方針としましては、基本的にはまだまだ成長企業でございますので、成長のための資金を取っておくという考えです。

株主さまに応援していただきたいという思いはもちろんございますので、今回は普通配当10円、記念配当5円を出すという意思決定をさせていただきました。

今後に関しては未定ではありますが、なるべく還元する方向で考えていきたいと思っています。株主優待に関しましては、「餃子一皿無料券」6枚を進呈いたします。

新規出店計画

2020年6月期の見通しです。出店計画としては、直営店が15店舗、フランチャイズ店が5店舗となっております。

直営店は関東においては埼玉・千葉・神奈川など、まだまだ出せる範囲がたくさんありますので、そこを中心に出店していきたいと思っています。

フランチャイズ店に関しましては、先日すでに、仙台に1店舗がオープンしました。非常に好調なため、2020年6月期中仙台でももう1店舗・2店舗増やせたらと思っています。

また現在、副社長の田中がフランチャイズ説明会のようなかたちで全国を回っています。

既存のオーナーだけで増やそうとしていて、タイミングがなかなか合わずに増えなかったのが前期の反省でありますが、新規のフランチャイズオーナー・企業を募集しているところでございます。

2020.6月期 計画

業績の計画はご覧のとおりです。売上高は50億円で、25パーセントの成長を目指しています。

営業利益率は、2019年6月期は7.9パーセントでしたが、8.6パーセントを計画しています。フランチャイズ店を増やすのと同時に、本社経費の固定費を売上増によって吸収していくことで、営業利益率を改善していくつもりでございます。当期純利益は3億円を計画しています。

出店エリアの拡大①

続きまして、出店エリアの拡大です。先日、直営店、既存のオーナー、フランチャイジーも含めて「戦略260エリア」を策定しました。1都3県260駅の乗降客数・昼間人口・所得・年齢層を分析しまして、優先順位を付けて選定しました。今後もここに出店を集中していきたいと思っています。

1都3県には、基本的に既存のオーナーだけで出店してきましたが、既存のオーナーのタイミングが合わない、物件が出たタイミングで店長が1人辞めてしまった、他の業態で出店してしまった、などという事例が続きました。そのため、1都3県においても新規のオーナーを探してフランチャイズ店を増やしていくことを考えています。

出店エリアの拡大②

地方はフランチャイズ店を中心として店舗展開していきたいと思っています。全国から問い合わせがあり、仙台はすでに出店済みですし、札幌、水戸、新潟、広島、さらには四国、熊本からも問い合わせが来て、現在は物件選定などを進めているところでございます。

また現在は全国の説明会を回っていて、新規の有力なオーナーを見つけて、1地方で数店舗出店していただける状態にしていきたいと思っています。

採用の強化

出店に伴う人の採用と教育についてです。ここは現在、外食業界でも一番の経営課題です。

どこの会社もそうだとは思いますが、当社も同じで、以前からここに関しましては社のリソースを注いで取り組んできたところではございます。さらなる強化をしていき、出店数に応じた採用数を確保していくことを考えています。

一番は、スライドに書いてある中途採用のリファラル採用です。これは、現アルバイトのスタッフの人たちの社員登用を強化していくことです。

今までも年に数人はそのような人がいましたが、まだ埋もれている入社希望者もいることがわかってきましたので、そこを社員化していきます。即戦力ですので、生産性向上にもつながると思っています。

他には、アルバイト採用です。アルバイト採用も首都圏では少しずつ厳しくなってきておりますが、本部一括採用と友人紹介(を強化します)。

現在、友人紹介にけっこう力を入れていまして、オープン時に20人採用したかったのに10人しか採用できていないというお店も増えてきてはいますが、1ヶ月後、2ヶ月後には20人、30人になっているお店がございます。働く環境・働く楽しさを伝えていきながら、友達にも働いてもらいたいお店づくりを、今後もいっそう取り組んでいきたいと思っています。

教育の強化

教育制度をもう1度リニューアルしていこうと思っています。当社にはさまざまな社内研修制度がございますが、(そのなかに)「THP」、店長輩出プログラムと呼んでいる研修があります。「THP」をさらにブラッシュアップしまして、ここで早期店長化計画を立てて、出店を加速できる体制を整えていきたいと思っています。

評価制度のリニューアルも考えています。今まで定量・定性評価をしていましたが、そこに徹底度や目標管理などを追加して、よりいっそう成長速度を速めていくことを考えています。

また、店長育成店舗をオープン予定です。座学だけではなかなか難しいところを、プロの料理長やプロの店長などが一緒にお店に立って、現場感やピーク帯の回し方も含めた細かいところを、教えていく予定です。しっかりお客さまを喜ばせ、売上も取れてコスト管理ができる店長をどんどん育てていく体制を整えます。

ES向上 地域貢献

「ES向上 地域貢献」と書いてありますが、働き方改革への取り組みとしましては、労働時間の適正化・有給所得推進への仕組みつくりとあります。当たり前の話ですが、残業時間をどうやって減らしていくかです。

他にも、有給取得比率を上げていくことが挙げられます。前年から強制5連休制度を入れました。飲食店の店長ですと、自分のお店が心配でなかなか連休・有給を取れない、という人もなかにはいます。そういう人でも絶対に年1回5連休は取らなければいけない、といったように、よりいっそう働きやすい会社づくりに取り組んでまいります。

NATTY SWANKYの本社も「ダンダダン酒場」1号店も調布から始まっています。そこで調布市に何か貢献できないかということで、調布が本拠地のFC東京のバススポンサーとなりました。小学生をFC東京の試合に無料で招待する取り組みがあり、そういうものに当社もスポンサーとして参加しています。

当社の経営理念として「街に永く愛される、粋で鯔背な店づくり」を掲げています。もちろんその地域その地域で「ダンダダン酒場」が愛されるように一生懸命営業していますが、その発祥の地の調布において、少しでも貢献できたらいいかなと思っています。

以上で説明を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

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