株式市場の振り返り-日経平均株価は約1年ぶりに8連騰、TOPIXも6連騰で続く

2019年9月12日(木)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 21,759円(+161円、+0.8%) 8日続伸
  • TOPIX 1,595.1(+11.4、+0.7%) 6日続伸
  • 東証マザーズ株価指数 855.1(▲10.2、▲1.2%) 反落

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:1,247、値下がり銘柄数:810、変わらず:94
  • 値上がり業種数:29、値下がり業種数:4
  • 年初来高値更新銘柄数:110、年初来安値更新銘柄数:1

東証1部の出来高は15億8,230万株、売買代金は2兆7,701億円(概算)となりました。出来高は前日より減りましたが、売買代金は微増となっています。米国株が大幅高となったことに加え、米国トランプ政権が中国に対する関税上乗せを延期すると発表したことを受け、リスクオンモードが高まりました。それでも、様子見スタンスをとる投資家も少なくなかったため、売買代金は3兆円には届きませんでしたが、相応に活況な商いとなったようです。

そのような中、日経平均株価は高値圏での揉み合いとなりました。寄り付きから21,800円を挟む攻防となり、後場の序盤には一時+228円高まで上昇する場面が見られました。その後は利益確定売りに押されて上げ幅を縮小したものの、8日続伸で引けています。

ちなみに、日経平均株価の8連騰は今年初であり、昨年9月13日~26日にかけて記録して以来となります。

なお、TOPIXも同じような値動きで6日続伸(今年初)となりました。取引時間中には一時、5月7日以来となる1,600ポイント台を回復する場面が見られました。

東証マザーズ株価指数は反落、売買代金は27日連続で1,000億円を下回る

東証マザーズの出来高は4,479万株、売買代金591億円となり、いずれも前日から小幅減少となりました。大型株式市場では相応に活況な商いが続く一方で、新興市場では個人投資家の物色意欲が続かず、連日で盛り上がりに欠けた商いとなりました。売買代金は27日連続で1,000億円を割り込んでいます。

また、株価指数も反落となり、こちらも大型株式市場と対照的な結果となりました。依然として900ポイント回復は遠いようですが、今後の展開は個人投資家の投資マインド回復次第と言えましょう。

ヤフー傘下入り発表のZOZOが爆騰、ソニーや東京エレクトロンが年初来高値更新

個別銘柄では、朝方にヤフー(4689)がTOBによる買収を発表し、前澤社長の退任も合わせて公表したZOZO(3092)が一時+18%超高の大爆騰となりました。ただ、その後は上げ幅を縮小し、TOB価格(2,620円)に達することなく引けています。ちなみに、ヤフーの株価は小幅上昇に止まりました。

また、ハイテク株の一角にも買戻しが続き、ソニー(6758)、東京エレクトロン(8035)、ローム(6963)などが年初来高値を更新し、半導体関連銘柄では信越化学工業(4063)も年初来高値更新となりました。

さらに、円安進行を背景に自動車株も買われ、SUBARU(7270)とトヨタ自動車(7203)が連日の高値更新となっています(トヨタ自動車の終値は下落)。その他では、機械株への買戻しも続き、SMC(6273)が年初来高値を更新し、ディスコ(6146)が急反発したことが目を引きました。

なお、NTTドコモ(9437)は10日連続で年初来高値更新となっています。

一方、小売り株が総じて軟調に推移し、ファーストリテイリング(9983)が続落となり、ファミリーマート(8028)、ローソン(2651)、イオン(8267)、エービーシー・マート(2670)などが大幅安となりました。

また、前日に大幅高となった金融株が反落し、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)や野村ホールディングス(8604)が値を下げています。

新興市場(東証マザーズ)では、そーせいグループ(4565)やサンバイオ(4592)が大幅反落となり、窪田製薬ホールディングス(4596)も下落しました。一方、ユーザベース(3966)が小幅反発となり、自動制御システム研究所(6232)も急反発しています。

葛西 裕一