日本人は欧米人に比べ、金融・経済にまつわる「お金の教育」が不足しており、同時にマネーリテラシーも低いとされています。それは今回の調査においても、浮き彫りとなりました。

例えば過去に、学校や家庭内で金融の仕組みを学んだ中高生は、中学生が33%、高校生が48%という結果に。家計管理(小遣い管理)においても、中学生は47.5%、高校生は35.0%。生活設計に関しては、中学生が32.0%、高校生の38.3%が「学んだことがある」と回答しています。

中学生はともかく、アルバイトもできる高校生の数字の低さが気になります。確かに私達の学生時代を振り返ると、経済・金融に関する授業は、殆どなかったはず。むしろ「お金=卑しいもの」というイメージで、家庭内においても、お金の話は敬遠されがちでしょう。

対する欧米諸国。例えばアメリカでは、家庭内でお金や投資の話をするのが当たり前といいます。学校の授業においても、ライフプランニング(生活設計)をゲーム形式で学んだり、自己負担となる莫大な医療費、またそれに対する保険の必要性を学んだりと、「お金の教育」を積極的に行っています。

実際に日・米では、個人によるマネーリテラシーの差が大きいこともわかっています。「知るぽると」が行った「金融リテラシー調査(2019)」によると、複利やインフレなどの正誤問題6問の内、日本人の平均正答率は47%、アメリカ人は53%となりました。

とりわけ差が付いたのが、複利の問題です。日本人の正答率は44%、アメリカ人は75%と、投資関連の知識に差が生じています。いずれにしても、日本人の中高生、そして大人達に経済・金融の知識が不足しているのは、明白です。

まとめ

子どもの内から「お金をいっぱい稼ぎたい!」と、高い目標を掲げるのは素晴らしいことです。そのためには、早い段階でお金に関する知識を身につけさせる必要があるでしょう。ただし国の教育方針もあり、経済・金融関連の教育を学校に任せきるのは、得策とはいえません。子どもに「お金の教育」をするのは、他でもない親自身です。彼等の目標を達成できるよう、大人達が全力でサポートしてあげたいものですね。

高橋 一磨