日本の親が子供に「お金の教育」をできない理由

筆者はこの9月から一般社団法人日本つみたて投資協会という組織を運営しています。この組織の理念は、個人が無理なく資産形成ができる「つみたて投資」を広く社会に普及・啓発して、家計に活力とゆとりをもたらし、個人・企業・地域が活性化できる日本経済の持続的な発展に寄与するというものですが、いろいろなチャレンジがあります。

日本人はマネーや経済に興味がない?

最初のチャレンジは、つみたて投資うんぬんの前に、マネーや経済に興味を持っている層が思いのほか少ないことです。少額投資非課税制度(運用収益に対する税金を払わなくていい投資口座)であるNISA/つみたてNISAの口座数は、2019年3月末で合計753万口座となっているものの、人口比での口座保有率は6%程度と、ほぼ17人に1人しか保有していない勘定になります。

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年齢別の当該口座保有比率を見るともう少しばらつきがあり、20代では2.6%、30代で5.1%、40代・50代ではそれぞれ5.3%、6.4%程度と、口座開設率は各年齢層人口の10分の1以下となっています(図表1)。筆者の感覚では、それでもかなり増えたなという感じです。

ただし、実際の稼働率(取引されている口座)は全体で72%程度ですから、残りの3割弱は口座開設したものの何の金融商品も買っていないと推察されます。

証券口座全体は2433万口座(個人、2019年6月末)ですから、全人口比では約5人に1人が証券口座を保有していることにはなり、口座保有者の4分の1程度はNISA口座も開設しているということになります。ただし、一般の証券口座は複数開設することができますので、実質的に稼働している口座数はもっと少なくなるはずです。

図表1:NISA/つみたてNISA口座年齢層別保有率

子供に対する「お金の教育」の第一歩は?

このように、証券口座数から考えると、ほとんどの個人は投資に興味がないか必要ないと考えていると判断しても間違いないでしょう。もっとも、証券口座開設手続きが煩雑であったり、NISA/つみたてNISAの認知が進んでなかったりすることも一因という見方もありますが。

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太田 創

関西学院大学卒。1985年、三菱銀行入行。1988年より約10年間、ロンドンおよびサンパウロで資金為替・デリバティブ等の運用、投資信託の管理業務に携わる。
その後、2000年からシティグループ(米)、UBS(スイス)、フィデリティ(米)、GCIにおいて投資信託のマーケティング・商品企画を統括。現在は一般社団法人日本つみたて投資協会・代表理事。
主要な著書には、『ETF投資入門 』(日経BP 2008年)、『お金持ち入門』(実業之日本社 2015年 共著)、『毎月3万円で3000万円の「プライベート年金」をつくる 米国つみたて投資』(かんき出版 2019年)などがある。