漫画家の祭さんは、大明神さんと、小明神さんというチンチラさんと一緒に暮らしています。

以前(第12話 お前も共犯だ!)にもご紹介したように、チンチラさんたちはレーズンとりんごが大好き。いつもはドライフルーツを与えていますが、安く手に入ったときは、生のりんごを与えるときもあります。ただし、チンチラさんたちの健康を考え、量は1/4に切ったものを、さらにスライスし、それをひとつかふたつだけ。余った残りは、祭さんが食べるのがいつもの習慣です。

ある日のこと。りんごが安く手に入ったので、チンチラさんたちのおやつに、スライスしたものと自分用に切ったものを用意した祭さん。散歩中のおやつタイムに、みんなでいただくことにしました。

ゆっくりとりんごを口に運ぶ大明神さん。一方の小明神さんは、りんごを手にするや否や、あっという間に完食!…そう、この2匹、性格なのか食べるスピードが全然違うのです。

食べ終わった小明神さんは、早速祭さんのりんごに目をつけます。「もうひとつください。」といわんばかりに、甘えた声を出して、祭さんにすり寄っていく小明神さん。与えすぎは禁物ということで「これは私の。今日はひとつしか用意してないよ。また明日ね。」あえて突き放すと、冷たく放たれたその一言に、小明神さんの動きがピタリと止まります。

小明神さんの右には、自分に背を向けてりんごを食べる祭さん。左には、まだまだじっくりと、りんごを味わっている大明神さん。

…自分だけがりんごを持っていない。みんな持っているのに、小明神のりんごだけがない…

絶望して打ちひしがれた(!?)様子の小明神さん。そして、次は絶望が怒りへと変化したのでしょうか。奇声をあげながら、部屋中を駆け回りだします。壁にぶち当たっても走り続け、ついでにその辺においてあった家電や本をがぶり。しまいにはティッシュを箱から次々に抜き出して、その辺にぶちまけてしまいます。まるで、「りんごをくれー」と叫んで駄々をこねてる子どものよう…。

「わかった!わかった!今新しいのを剥くからぁー!!」

小明神さんの体当たりの大要求に、ついに根負けした祭さん。「自分だけが持っていないんじゃなくて、食べちゃっただけじゃん。」と、心の中で小明神さんに突っ込みながらも、新しいりんごを用意する祭さんと、その傍らにはそんな騒ぎも何のその、最初にもらったひとかけを大事そうに味わっている大明神さん。そんな二匹の個性の違いを見ては、そこはかとない癒しを覚える祭さんなのでした。第20話もお楽しみに。

【マンガ記事】チンチライフ!

チンチラの大明神と小明神、そして漫画家の祭さんの3人(?)が織りなす、ドタバタな毎日。チンチラって何?という方から、チンチラの飼い主さんまで、初めて情報からディープなチンチラ情報まで、楽しくお伝えしていきます。

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