50代は上記の5年間で平均貯蓄現在高・負債現在高ともにやや増えています。50歳代半ばから後半にかけては定年退職が意識される年齢です。年金の受給時期の年齢が上がる可能性などを考えて、老後に備えて貯蓄高を増やしたいという人が多いかと思います。

特に子供が独り立ちした後は一気に老後資金を蓄えようと考えるケースもあるでしょう。老後に向けた貯蓄額が心もとないと思っている世帯は、50代がお金を増やすラストチャンスです。妻も働く、副業を始めるなどの手段で世帯収入を増やし、貯蓄額を増やしていきましょう。

60代の貯蓄・負債の特徴

60歳代の平均貯蓄現在高は5年間でやや減少しているものの、2000万円を超えており「比較的安定した水準」といえるでしょう。50代に比べて1000万円近く増えているのは、退職金や住宅ローンの完済などが影響しているのではないでしょうか。

ただし、平均寿命が伸びており、それに伴う医療や介護費用、年金で足りない生活費を老後資金で補填しなくてはいけないことを考えると、100%安心とはいきません。この後どのくらい生きることができるか、何が起きるかは分からないので、健康で働ける機会があるならば少しでも収入を得ることを考えた方がよさそうです。

70代の貯蓄・負債の特徴

70歳代では仕事も引退して、年金受給も始まり、まさに「老後」という人が多いでしょう。貯蓄現在高の平均は5年で減少してはいるものの、60代同様に2000万円を超えています。

投資などをしていれば収入がある人もいるでしょうが、ほとんどの場合、収入源は年金のみになります。年金の範囲で慎ましく生活して、貯蓄をできるだけ減らさないようにしている人が多いのではないかと推測できます。

おわりに

何歳まで健康に生きるか分からない長生きリスク。なるべく子供の世代など家族に迷惑をかけないよう十分な貯蓄を残したいと思っている人が多いのではないでしょうか。

老後は公的年金に加え、少しずつ貯蓄から切り崩すことも必要となってきます。そのため、健康で元気がある間は働き続けることも選択肢の一つです。収入を得ることができ、気持ちも若くいられるでしょうから、現役のうちから老後の働き方を考えておくといいかもしれません。

LIMO編集部