夫婦たるもの、何も言わなくてもお互いの気持ちがよくわかる。夫こそ、妻こそ自分の最大の理解者である。…確かにそれは理想の形ですが、現実はそう上手くは行きませんよね。

「なんで私の気持ちをわかってくれないの?」「何で俺の立場を理解してくれないんだ」なんて、イライラ、モヤモヤしている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、果たして夫や妻は本当に自分のよき理解者なのか?考えてみたいと思います。

本当に一番の理解者なの?

まず考えたいのは、「夫婦とは本当にお互いのよき理解者であるべきか?」。おそらく、ほとんどの方の答えは「YES」になることでしょう。
確かにパートナーが自分の気持ちを理解し、尊重してくれたら幸せですよね。何も言わなくても、かけてほしい言葉をかけてくれる、してほしいことをしてくれる…。そんな人と一生を共にすれば、心豊かに過ごせるはず。

しかし、ここで見落としがちなのが「お互いの」よき理解者であるべき、という点。相手が自分の理解者であるのと同じくらい、自分も相手のよき理解者であること。これが夫婦円満の秘訣ではないでしょうか。

自分が相手のことをきちんと理解しているか、相手の想いに心を寄せているかどうかを棚にあげて、「夫は私のことを何ひとつわかてくれていない」「妻は俺の気持ちなんてどうでもいいんだ」などと言うのは、ただのワガママになってしまいます。

しかし、人間とは自分勝手なもので、ついつい相手にばかり求めてしまいがち。考えてみてください。自分のことをひとつも理解しようとしてくれない人に、「あなたは私の気持ちをまったくわかってくれない」と言っても、まったく心に響かないはず。
間関係の基本、「自分のことを理解してほしいなら、相手のことをまず理解しようと努める」というのは、夫婦間でも例外ではないはずです。

結婚したら自動的によき理解者になるわけではない

筆者自身もそうでした。とにかく結婚した当初は主人とぶつかることが多々あり、そのたびに、「どうして夫婦なのに、私のことを理解してくれないんだろう」とイライラしていました。時に大きな衝突を、時に小競り合いを繰り広げて10年超。ようやく最近、「言わずともわかる」関係が構築できてきたな、と感じることがあります。

思い返すに、筆者の最大の間違いは、「自分の最大の理解者だと思う人と結婚したのだ」という錯覚、もしくは「男女は結婚したら自動的にお互いのよき理解者になるのだ」とう誤解。

お互いに結婚するまで長い歴史があり、そこで培われた考え方や価値観がある。ましてや「男脳」「女脳」と言うように、男女の考え方には大きな違いがある。それなのに、婚姻届に判を押したくらいで急に相手の気持ちが100%くみ取ることができるようになるはずはないんですよね。

つまり、「よき理解者である」ということは、お互いに意見の衝突を繰り返しながら、それぞれの考え方や価値観をすり合わせて、お互いにとってもっともベストな着地点を見つけられる関係のことを指すのではないか…と思うのです。

わからないから面白い