人生の最期を飾る葬儀。しかし近年、葬儀費用に関する相談件数は増加傾向にあります。
「家族葬だから安いだろう」「チラシに記載されていた金額で収まるだろう」という思い込みが、予期せぬトラブルにつながるケースが後を絶ちません。
今回の記事では、国民生活センターが2026年6月に発表した「葬儀サービスの料金トラブル」に関するトラブルを防ぐためのポイントを分かりやすくお伝えします。
また記事中では、消費者庁による令和8年版「消費者白書」より、最新の「消費者被害の推計額」についてもご紹介します。
※投稿の画像は【写真】をご参照ください。
※今回ご紹介する内容は、独立行政法人国民生活センターの掲載許可を頂いております。
1. 【葬儀サービスの料金トラブル】広告の「料金表示」に注意
厚生労働省が発表した2025年の死亡数は約160万人となりました。
死亡数の増加とともに、葬儀の取扱件数も増加していると考えられます。
また、葬儀の形態も変わりつつあり、家族葬、一日葬、直葬など、さまざまな葬儀のニーズが高まっています。
その一方、全国の消費生活センター等に寄せられる葬儀サービスに関する相談は増加傾向で推移しており、年間で900件前後となっています。
国民生活センターが紹介している「トラブルを回避するためのポイント」を3つご紹介します。
1.1 葬儀サービスの料金トラブルを防ぐポイント1:葬儀の希望やイメージを考えて情報収集をする
葬儀の形式は多岐にわたり、費用も大きく異なります。まずは「どのように見送りたいか」を家族で話し合い、複数の葬儀社のホームページやパンフレットを比較して、納得のいく葬儀社を検討しておきましょう。
1.2 葬儀サービスの料金トラブルを防ぐポイント2:見積書は必ず受領し、明細を確認
見積もりをとる際は、必ず書面で受け取り、その際以下の点も確認することが重要です。
内訳の記載
「葬儀一式」といった一括りの表示ではなく、項目ごとの単価や数量が明記されているか。
追加費用の有無
どのような場合に、いくら程度の追加費用が発生する可能性があるのか。
納得できない点があれば、その場で納得できるまで説明を求めることが、後々のトラブルを防ぐことにつながります。
1.3 葬儀サービスの料金トラブルを防ぐポイント3:打ち合わせは複数名で行う
ご家族を亡くされた直後の打ち合わせは、精神的な負担が大きく冷静な判断が難しくなる場合も多くあります。
一人で抱え込まず、必ず信頼できる親族や第三者を交えて話し合い、客観的な意見を取り入れるようにしてください。
2. 【葬儀サービスの料金トラブル】困ったときは早めに相談する
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なお、葬儀サービスについて、不安に思った場合やトラブルが生じた場合には、すぐに最寄りの消費生活センター等に相談することも大切です。
「契約を急かされた」「見積もりより高額な請求がきた」など、少しでも疑問を感じたら、すぐに専門家へ相談することをおすすめします。
元気なうちはなかなか考えられないかもしれませんが、葬儀の準備は余裕があるときに考えておくことも大切です。
少しでも不安な点があれば、生前のうちから葬儀社に相談したり、見積もりをとっておくことも立派な備えとなります。
ぜひ、検討してみてください。
3. 2025年の消費者トラブルによる被害額は7.6兆円という結果に
日々消費活動を行うみなさんにとって、決して遭いたくないトラブルが「消費者トラブル」。
しかし、2026年6月に公表された令和8年版「消費者白書」によると、2025年の消費者被害の推計額(既支払額)は7.6兆円にのぼることがわかりました。
これによると、2025年の消費者被害・トラブルの経験率は20.1%であり、前年と比較して減少しました。
また、1件当たりの消費者被害・トラブル額の平均金額(1億円以上の案件を除く)については、2025年は約52.9万円となっており、前年の約51.6万円から増加する結果となりました。
なお、2020年からの推移は下記のとおりです。
3.1 消費者被害・トラブル額の推計結果(既支払額・信用供与を含む。)
- 2020年:約3.6兆円
- 2021年:約5.6兆円
- 2022年:約6.0兆円
- 2023年:約7.9兆円
- 2024年:約9.0兆円
- 2025年:約7.6兆円
消費者被害・トラブルの推計額(既支払額:信用供与を含む)については、2025年は約7.6兆円であり、前年の約9.0兆円から減少しました。
この推計は、発生確率や平均被害・トラブル額が比較的安定して推計できる1億円未満の案件を対象としています。
なお、まれに発生する極端に大きな金額の被害案件が推計全体に影響を及ぼす可能性を考慮し、近年はこの手法がとられています。
参考資料
- 独立行政法人国民生活センター「依然として多い葬儀サービスの料金トラブル-「家族葬だから安い」と思っていませんか?-」
- 消費者庁「令和8年版消費者白書」
- 厚生労働省「令和7(2025)年人口動態統計月報年計(概数)の概況」
長島 迪子