リスク1.人間関係がうまくいかない
自己肯定感が低い人が陥りやすいリスクとしてよく聞かれるのが、良い人間関係が作れないというもの。自分自身を否定的に考えてしまう自己肯定感の低い状態では、相手が良かれと思っていった言葉さえも否定的にとらえてしまいます。
例えば相手にとっては褒めたつもりの言葉に対して、「嫌味なのではないか?」とか、「何か裏があるのではないか?」などと疑ってかかってしまうという状態になりがち。このような気持ちが態度に表れてしまうと、相手は「せっかく褒めたのに、ひねくれた人だ」と不快に感じてしまうこともありますよね。そんな繰り返しによって友人などが離れていってしまい、人間関係がうまくいかないという状況を作り出すのです。
友人同士の人間関係がうまくいかないということは、恋愛や職場での人間関係も上手に作れないということにつながります。そのため恋愛や仕事が長続きしないという人生になってしまうことも多いのです。
リスク2.打たれ弱い
ちょっとした失敗でも立ち直れないという状況も、自己肯定感の低い人によく見られるもの。もともと自分に対する自信がなく、「自分はダメだ」と思ってしまうことが多い人にとって、失敗は自分のダメな部分を見せつけられるようなものです。失敗の経験が「自分は何をやってもダメ」という思考につながり、さらに自分に対する否定が強まってしまうという悪循環に陥ってしまうことも多いよう。
このような失敗による自己否定の状況から不登校やひきこもりといった、さらなるリスクへとつながってしまうこともあるといわれています。
自己肯定感の高い子どもに育てる方法
さまざまなリスクを避けることができる自己肯定感の高さ。自分の子どもにはできるだけ自己肯定感を高めて、ひきこもりなどのリスクを回避してほしいと思うのが親心ですよね。そんな自己肯定感の高い人間に育てるために有効な方法をご紹介します。
自己肯定感を高める方法1.褒め方を変える
昔に比べて、親が子どもを褒めて育てるという考え方が強い現代。でもその褒め方を間違えてしまうと、自己肯定感の低い子どもになってしまうこともあります。
褒め方には条件をクリアしたことを褒める方法と、無条件に褒める方法の2つのタイプがあります。1つめは成績がよかったことやお手伝いができたことなど、親や周囲が与えた条件をクリアしたときに行うもので、これを行うことが褒めて育てるということと思っている人も多いですよね。しかしこの褒め方だけを続けていると、子どもが条件をクリアできないとダメという思考を持ってしまうこともあります。
反対に無条件で褒めるというのは、子どもの存在そのものを肯定し褒めること。なんでもないときに「大好きだよ」と抱きしめたり、「ありのままのあなたが素敵」と褒めたりすることが、能力や条件ではなく自分自身を愛してもらっているという気持ちにつながります。この気持ちが自分を肯定することを高めてくれるのです。
また条件のある褒め方でも、目標が達成できなかったり、失敗してしまったりした場合に「ここまで頑張って、こんなことができたね」とか、「ここまではできるようになったね」と肯定してあげることが大切。このことが失敗することですべてが否定されるという考え方を持たせず、失敗してもできたことがあったというポジティブな思考へと変えることができるのです。
自己肯定感を高める方法2.タイミングを逃さない
自己肯定感はいつも一定ではなく、状況によって変わってくるものです。とくに子どもの場合には小学校に上がるときや、勉強が難しくなってくる10歳前後に低くなりやすいといわれています。このタイミングを逃して、自己肯定感の低い状態が続いてしまうと、自分を愛することができない人間になってしまうことも。
自己肯定感が低くなるとそれまでなかったネガティブな発言をしたり、褒めても素直に喜ばなかったりという行動が出ます。このようなことがあれば周囲との比較ではなく、そのままの自分自身でいいのだと思えるよう、褒め方や接し方を変えるようにしましょう。
接し方を考えて自己肯定感の高い子どもを育てよう
子どもの自己肯定感の高さは、育てる親の接し方によって変わってきます。また自己肯定感の低い親に育てられると、その子どもの自己肯定感も低くなってしまうという説も。
この負の連鎖を断ち切り、人生の質を高めるため、ぜひ褒め方や褒めるタイミングについて考えてみましょう。
フェミエール