通信大手のNTT(証券コード9432)は、個人投資家から人気を集める銘柄です。理由のひとつが、条件を満たすとdポイントがもらえる株主優待です。
本記事では、優待の中身と必要な購入金額をわかりやすく整理します。あわせて、高配当株を長く持つときに欠かせない指標「EPS」も解説します。
1. NTTの株主優待(dポイント)の中身
NTTは毎年3月31日を基準日とし、100株以上を継続保有する株主のうち、保有期間が2年以上3年未満または5年以上6年未満に該当する人へdポイントを進呈しています。
進呈額は継続して保有した期間に応じて変わり、保有が2年以上3年未満なら1500ポイント、5年以上6年未満なら3000ポイントです。
2年以上3年未満で1500ポイント、5年以上6年未満で3000ポイントなので、一定の長期保有者が対象になる制度ではあります。ただし、6年以上保有すれば毎年増えるわけではなく、同一株主番号での進呈上限は4500ポイントです。
2. いくらで「優待対象の株主」になれる?
優待の株数条件は、100株以上です。NTTは2023年に1株を25株へ分割したため、1株あたりの株価は150円前後と、比較的買いやすい水準です。仮に株価を150円とすると、100株はおよそ1万5000円で購入できます。
3. NTTの配当状況
NTTは、株主還元として配当にも力を入れています。2026年度の年間配当は1株あたり5.4円が予定され、実現すれば16期連続の増配となる見込みです。株価150円、年間配当5.4円で計算すると、配当利回りは3.6%です。
優待と配当の両方を受け取れる点が、長期保有の魅力を高めています。ただし、配当は将来も同じ水準が続くとは限りません。
NTTに限らず、配当金の受け取りを重視する場合は、企業の稼ぐ力を確かめる視点が大切になります。
4. 配当の原資は「利益」!注目すべき指標「EPS」
配当の原資は、企業が稼いだ利益です。利益が細れば、配当を維持する余力も小さくなります。そこで注目したい指標がEPSです。
EPS(1株当たり利益)とは、当期純利益を発行済み株式数で割った数値を指します。1株がどれだけの利益を生んだのかを示しており、投資判断の参考になる指標です。
EPSが伸びていれば、企業の稼ぐ力が高まっていると読み取れます。逆に下がり続ける場合、将来の配当が細るサインになり得ます。
あわせて見たいのが配当性向です。配当性向とは、稼いだ利益のうち、どれだけを配当に回したかを示す割合のことです。性向が高すぎると、利益が減ったときに減配されるリスクが大きくなります。EPSと配当性向を重ねて見ると、配当の持続力をより正確に判断できます。
5. 優待・配当の魅力に隠れた「企業の稼ぐ力」をチェックし、新NISAで賢く長期の資産形成を
1万5000円台という身近な金額から日本の通信大手の株主になれ、dポイント優待や配当金を受け取れるNTTは、これからのインフレ時代に自分の資産を守り育てるための選択肢となります。
しかし、投資の世界において「今の利回りが高いから」という理由だけで銘柄を選んでしまうのは非常に危険です。
記事後半で解説した通り、長期保有を前提とした高配当株投資で本当に重要なのは、目先の配当額ではなく、その原資となる「EPS(1株当たり利益)」が右肩上がりに成長しているかという企業の地力です。
どれほど魅力的な優待であっても、企業が稼ぐ力を失ってしまえば、将来的な減配や優待廃止のリスクは避けられません。
この記事を読み終えたら、まずは単に株価を眺めるだけでなく、気になる銘柄の「EPS」の推移を企業のIRや投資アプリで確認する習慣をつけてみてください。
そして、NTTのような少額から買える銘柄をポートフォリオの一部に組み込み、新NISAの非課税枠を活用して「配当を再投資する仕組み」を作っていくという方法も考えられます。
小さな実践の積み重ねが、5年後、10年後のあなたの家計を支える柱へと育っていくでしょう。
参考資料
柴田 充輝