帝国データバンクが2026年6月2日に公表した調査によると、6月の飲食料品の値上げは2カ月ぶりに1000品目を上回りました。

1月から10月までの判明分だけで総計1万1157品目に達しており、中東情勢の影響を受けたナフサ高騰による包装資材(食品フィルムやトレー類など)の大幅値上げや、エネルギーおよび物流費の一斉上昇などを背景に、調査開始から5年連続で年間1万品目を突破することが確実となりました。

年間では1.5~2万品目台への到達も想定されており、今後も広範囲な値上げが続くと予測されます。

物価上昇が続くなか、梅雨を迎え自宅で過ごす時間が増えるこの時期は、今後の暮らしや家計についてじっくりと考える良い機会といえるでしょう。

特に65歳からの暮らしについて、漠然とした不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「周りの人たちはどれくらいの生活費で暮らしているの」「老後の貯蓄はいくらあれば安心できるのだろう」といった疑問は、多くの方が抱くものです。

この記事では、公的な最新データをもとに、65歳以上の無職夫婦世帯のリアルな家計事情を詳しく解説します。

毎月の生活費から平均貯蓄額、そして公的年金の受給額まで、具体的な数字で現状を確認していきましょう。

ご自身の状況と照らし合わせながら、今後のライフプランを考えるきっかけとしてお役立てください。

1. 65歳以上・無職夫婦世帯の家計収支

「老後の生活費」について具体的にイメージしてみましょう。総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」から「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」家計収支について解説します。

1.1 無職の高齢夫婦世帯における家計の実態

無職の高齢夫婦世帯における月々の収入額

  • 収入合計:25万4395円
  • うち社会保障給付(主に年金):22万8614円

無職の高齢夫婦世帯における月々の支出額

  • 消費支出:26万3979円
  • 非消費支出:3万2850円

支出合計29万6829円

この世帯の毎月の収入は25万4395円で、その約9割にあたる22万8614円が年金などの社会保障給付です。

一方で支出は、生活費にあたる消費支出が26万3979円、税金や社会保険料などの非消費支出が3万2850円で、合計すると29万6829円となります。つまり、毎月約4万2000円の赤字です。

1.2 エンゲル係数から見る生活水準:消費支出に占める食費の割合

消費支出の内訳を見ると、食費が約3割(29.9%)を占めています。これはいわゆる「エンゲル係数」にあたり、生活水準や家計の余裕度を見る指標としてよく使われます。

また、住居費や光熱費、医療費などの固定的な支出も一定の割合を占めており、年金だけで生活する場合は家計が赤字になりやすい状況が見えてきます。