帝国データバンクが2026年5月29日に発表した調査によると、6月の飲食料品値上げは1,078品目と2カ月ぶりに1,000品目を超えました。

1〜10月判明分の通年総数は9,361品目に達し、中東情勢の影響(全体の2割)による包装資材高や物流費上昇を背景に、6月中にも5年連続で年間1万品目を突破する見通しです。今夏以降もさらに広範囲な値上げが続くとみられます。

こうした物価の動きが続くなか、梅雨の季節を迎え、家で過ごす時間が増えるこの時期は、これからの暮らしや家計について落ち着いて見直す良い機会かもしれません。

日々の生活費を意識する場面が増える今、「同世代の貯蓄事情はどうなっているのだろう」「これからの生活設計をどう整えようか」と、将来のお金に改めて意識を向けている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、70歳代の二人以上世帯に焦点を当て、貯蓄額の平均と実態に近い中央値、そして厚生年金や国民年金の平均受給額について、最新の公的データをもとに詳しく解説します。

さらに、65歳以上の無職世帯のリアルな家計収支もご紹介しますので、ご自身の状況と照らし合わせながら、これからの安心に向けた生活設計の参考にしてみてください。

1. 70歳代・二人以上世帯の貯蓄事情:平均額と中央値を比較

J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」の「70歳代・二人以上世帯の金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)」をグラフを交えて確認していきます。

※金融資産保有額には、預貯金以外に株式や投資信託、生命保険なども含まれます。また、日常的な出し入れ・引落しに備えている普通預金残高は含まれません。

「70歳代・二人以上世帯」の平均貯蓄額は2416万円ですが、この数字は一部の富裕層によって押し上げられており、実際の生活水準とは乖離している可能性があります。

より実態に近いとされる中央値は1178万円であり、多くの世帯の貯蓄額がこの水準に集中していることがうかがえます。

世帯ごとの貯蓄額分布は以下のとおりです。

  • 金融資産非保有:10.9%
  • 100万円未満:4.5%
  • 100~200万円未満:5.1%
  • 200~300万円未満:3.7%
  • 300~400万円未満:3.9%
  • 400~500万円未満:2.9%
  • 500~700万円未満:6.4%
  • 700~1000万円未満:6.7%
  • 1000~1500万円未満:11.1%
  • 1500~2000万円未満:6.7%
  • 2000~3000万円未満:12.3%
  • 3000万円以上:25.2%
  • 無回答:0.6%

70歳代・二人以上世帯の中で、金融資産を保有していない「貯蓄0円」の世帯は全体の10.9%を占めています。一方で、3000万円以上の貯蓄を持つ世帯も25.2%存在しており、世帯間の資産状況には大きな差があることがわかります。

その他の分布を見ると、100万円未満が4.5%、100~200万円未満が5.1%、200~300万円未満が3.7%と、貯蓄が少ない世帯も一定数存在します。一方で、1000~1500万円未満が11.1%、1500~2000万円未満が6.7%、2000~3000万円未満が12.3%と、まとまった資産を保有する世帯も見られます。

このように、貯蓄額は退職金や収入履歴、相続、健康状態などによって大きく異なり、公的年金の受給額も現役時代の加入状況により個人差があります。貯蓄が少ない世帯にとっては、年金収入だけで生活を維持するのが難しいケースもあるでしょう。

老後の安定には、世帯の状況に応じた生活設計が欠かせません。たとえば、健康なうちはパートなどで収入を得たり、不動産や投資による副収入を検討したりと、早めの準備が安心につながります。