4年ほど前、近所に住んでいる子供の同級生数人と合同で花火をしたときのことです。音頭を取ってくれたママさんが、「ここで2日前に花火をした親子が、近隣のクレーマーおばさんに注意されていたらしい」と教えてくれました。

そこで子供たちが大声を出さないよう言い聞かせ、火の始末やゴミ集めを懐中電灯片手に必死になってやったのを覚えています。既にあったお菓子のゴミも、「あのグループが捨てた」と勘違いされるのが嫌なので、目につくものは全て拾い、とても疲れました。

このように、周囲への気配りをしないと花火ができない状態になっており、「それならしないほうがいい」と考えるようになっている家庭が増えている印象があります。

では、花火を楽しめる場所は?

とはいえ、やはり夏休みには花火を楽しみたいもの。花火ができる場所を探して、親子で夏の思い出を作りましょう。ただ、どの場所でも火の始末やゴミの持ち帰りは徹底してください。

浜辺やキャンプ場

浜辺やキャンプ場は花火を楽しめる代表的な場所です。夏休みの家族旅行で海やキャンプに出かけた際はいいチャンスです。しかし、どこでも良いというわけではありません。浜辺や海岸公園の場合は管理している自治体によってルールが異なるので、花火ができる場所や時間帯を調べてルールを厳守してください。また、キャンプ場の運営会社に花火ができるかどうか、指定された場所があるかを確認しましょう。

花火ができる河川敷

河川敷も、広々としているので花火をするのに人気のある場所です。河川敷は自治体が管理しているので、そこにある公園や広場で花火ができるかどうかを確認しましょう。たとえば、A公園では花火ができるけれど、B広場では火気厳禁ということもあります。また、同じ川でも自治体ごとにルールが変わることもあるので注意が必要です。なお、花火ができる場所でも、草が生い茂っているところで行うと火事を引き起こす可能性もあるので絶対に避けてください。

田舎の祖父母宅

田舎の祖父母宅の広々とした庭で花火を楽しむのが、現代では一番安全な場所かもしれません。「孫が泊まりに来ていて、夜は花火をする」の一言があれば、近隣の人は「それは楽しみですね」と寛容に受け止めてくれることでしょう。筆者も子供時代、祖母宅に泊まる最後の夜、庭先で花火をするのが恒例でした。ただし、田舎の夜は早いので遅くとも20時までには花火を終わらせる配慮は必要です。

夏の風物詩の花火を子供から奪うのは避けたい

大人になると手持ち花火は準備したり片づける側になるので、楽しみよりは大変さが増します。しかし、子供にとって花火は季節感を感じる楽しいものです。火の扱い方や風向きによって煙が流れる方向が変わることも学べます。昔のように思い立ったらすぐできるというわけではなくなってきていますが、素敵な夏の思い出の一つになります。「花火をしよう!」と決めたら、事前に場所選びをして親子で楽しむようにしましょう。

中山 まち子