部屋を散らかしたり、好き嫌いをしたりと、なかなか親のいうことを聞かない子どもたち。「しつけをしなければ」という気持ちから、つい強い口調で叱ってしまう場面もあるでしょう。

しかし、ふと「このしつけは間違っていないだろうか」「厳しすぎたかも」と不安になることはありませんか?もしかすると、しつけのつもりでした行為によって子どもを傷つけているかもしれません。そこ今回は、普段のしつけについて改めて考えてみましょう。

「しつけ」と「支配」は違う

子どもに対して「おもちゃを片付けなさい」「早く寝なさい」「家まで頑張って歩きなさい」などと伝えた経験はありませんか?とくに子どもがイヤイヤ期になると、ワガママばかりのわが子にストレスが募ってしまうでしょう。

しかし、ここで抑えておきたいのが「しつけと支配の違い」です。危ない行動や周囲に迷惑がかかる行為は注意する必要がありますが、そうでないものは親の都合で怒っているケースも考えられます。

「寝かしつけの時間が長くて退屈だから」「早く家に帰りたいから」といった理由で叱っているのは、自分の思い通りにならない苛立ちによるものかもしれません。これでは「しつけ」ではなく「支配」になってしまうとも考えられます。

とはいえ、子どもの気持ちを常に優先するのは簡単ではありませんよね。我慢してばかりだと、親のストレスが蓄積される一方でしょう。

大切なのは、子どもと親の両方の気持ちを否定しないこと。おもちゃが散らかっていたら、「まだ遊びたかったんだね」と肯定しつつ「でも、そろそろお片付けの時間だよ」と添えてみては。怒りすぎてしまったら、子どもに「さっきはごめんね」と伝えれば大丈夫ですよ。

自尊心を傷つけてしまう「しつけ」とは

「これはしつけだ」と思ってしていたことが、子どもに精神的ダメージを与えているケースも少なくありません。以下のような項目に当てはまる行動は、子どもの自尊心を傷つけてしまう可能性もあります。

・「片付けていないおもちゃは捨てるよ」「帰らないなら置いていくよ」など、実際にはやらないのに脅している
・子どもが遊びでやったことに対し、何度も理由を聞く
・「あなたは悪い子」などと人格を否定する
・理由は説明せずに「ダメ」と怒鳴るだけ
・大きな声で叱る
・自分のストレスを子どもにぶつける

子どもも、大人と同じように人権をもっています。そのことを常に意識し、自尊心を傷つけない接し方を心掛けておきましょう。

「子どもらしさ」も認めてあげよう