株式市場の振り返り-週末の海外市況を好感し日本市場は大幅反発

2016年2月15日(月)の東京株式市場は大幅反発となりました。日経平均株価は前日比+7.1%上昇、TOPIXは+8.0%%上昇で引けています。いずれも4営業日ぶりの上昇でした。

先週末の海外市場で、円ドルレートが113円台に下落して円高進行が一服したこと、欧米株が大幅高となったことなどを好感し、日経平均株価も急反発で始まりました。その後も上昇幅を上げていき、久々の大幅高で前場を終えています。

なお、朝方の寄り付き前に10-12月期の国内総生産(GDP)の速報値が発表され、年率換算値で▲1.4%減となり、2四半期ぶりのマイナス成長となりました。これが、想定内の数字であったかどうか定かではありませんが、株式相場は特段の影響を受けませんでした。

後場に入っても相場の上昇は続き、日経平均株価は一時+1,200円を超える上昇となりました。大引けにかけてやや下げたものの、日経平均株価は先週末比+1,069円高の16,022円で終えています。また、新興市場も同様に大幅反発しました。

東証1部で上昇したのは1,874銘柄、値下がり55銘柄、変わらず8銘柄でした。東証1部の出来高は32億8,018万株、売買代金は3兆1,536億円(概算)となっています。売買代金が3兆円を超えていることからも、多くの投資家のマインドが好転したことが伺えます。

セクター動向と主要銘柄の動き―33業種全てが上昇、保険と証券が大幅高

東証33業種の全てが上昇しました。その中で大きく上昇したのは、保険業+11.6%、ゴム製品+11.5%、証券業+10.1%、空運業+10.0%、陸運業+9.5%などでした。一方、上昇率が比較的小幅だったのは、パルプ・紙+1.6%、小売業+4.7%、精密機器+6.2%、サービス業+6.5%、電気・ガス業+6.7%でした。先週は大きく下落した保険や証券がいずれも2桁上昇となったのが特徴です。また、上昇率が相対的に小さかった業種でも、+6%以上上昇した業種が多く見られました。

個別銘柄では、2016年12月期の大幅増益見通しを公表したリブセンス(6054)がストップ高となり、値上がり率第1位となりました。主力株では、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)や三井住友フィナンシャルグループ(8316)等のメガバンク株、三井不動産(8801)や三菱地所(8802)等の不動産株も大幅に上昇しています。また、先週は大きく下落したソフトバンクグループ(9984)やKDDI(9433)などの通信株も反発しました。

一方、米国ナビスコ社とのライセンス契約終了を正式発表した山崎製パン(2212)は、業績の先行き不安などで▲10%以上下落しました。また、インバウンド需要の変調を示唆し、2016年12月期の減益見通しを公表したラオックス(8202)も▲16%の大幅安となりました。他には、楽天(4755)も小幅安で引けています。

本日のポイントと注目テーマと関連銘柄―GDPマイナス成長で小売セクターに注目集まる公算

15日の大幅反発を受けて、16日(火)も相場上昇が続くのか注目されます。期待は小さくありませんが、春節明けとなった15日の上海株式市場が小幅安となったこと、15日のNY市場が休場(祝日)であること等から、一旦様子を見る動きが出てくるかもしれません。ただ、先週の急速な円高進行が徐々に修正されており、欧州株式市場も堅調に推移していることから、日本株も意外に底堅い動きとなる可能性もあります。

そのような中、15日は相場急上昇の陰に隠れた形になった10-12月期のGDPマイナス成長に注目が集まる可能性があります。今回のマイナス成長は、暖冬の影響が大きな理由の1つとなったようですが、インバウンドの伸び率鈍化も懸念され始めています。こうした観点から、ファーストリティリング(9983)、しまむら(8227)、高島屋(8233)、ドンキホールディングス(7532)等の小売セクターに目が向きそうです。また、同じ小売セクターでは、2016年2月期の業績下方修正を発表したイオン(8267)の下値がもう一度模索されるかにも注目です。

【2016年2月15日 投信1編集部】

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LIMO編集部