この記事の読みどころ

ドイツ経済、さらには欧州経済の先行き不安が高まっています。

目先は、2月16日(火)19:00発表予定の2月独ZEW景況感指数に注目です。

2月ZEW景況感指数(期待指数)の市場予想は0.0です。

2016年2月16日(火)19:00発表予定の2月独ZEW景況感指数に注目

ドイツ経済の見通しを予測する経済指標としては、通常、独IFO景況感指数が知られています。しかし、IFO景況感指数より約1週間早く発表される独ZEW景況感指数の方が、一段とマーケットとの相関性が高いため、市場参加者に注目されています。

独ZEW景況感指数は、約350人のエコノミストや機関投資家等に対するアンケート調査を行い、DI(ディフュージョン・インデックス)を作成。景況感の節目である50を超えていれば前月よりも改善していることを意味します。

先行き不安の高まるドイツ経済

前回、2016年1月の独ZEW景況感指数(期待指数)は3か月ぶりに低下し、10.2と12月の16.1を下回る内容となりました。ドイツのマーケット参加者が、中国の景気減速による世界的な株安から、ドイツ経済に対する先行き懸念を持ち続けていることが読み取れます。

ドイツの輸出依存度が約33.6%(日本は約11.4%・対GDP比)となる中、ユーロ圏、米国に続いて、中国が主な輸出先となっているため、中国向けの輸送用機器(自動車・同部品関連)や、産業用機器等の製造業の売上不振は、ドイツの国内経済にダイレクトに影響を与えます。

2月ZEW景況感指数(期待指数)の市場予想0.0を上回れるか

ドイツは、ユーロ圏全体のGDPの約20%を占めており、同国の景気動向がユーロ圏全体に影響を及ぼします。目先は、2月ZEW景況感指数(期待指数)が、市場予想である0.0を上回るか否かに注目が集まりそうです。

【参考情報】独ZEW景況感指数の基礎知識

そもそも独ZEW景況感指数とは

独ZEW景況感指数は、ドイツの民間団体であるZEW(欧州経済研究センター)が、約350人のエコノミストや機関投資家等といった、主に金融機関に所属する専門家に対するアンケート調査を行い、毎月19日に公表されます。

調査では、現在と6か月後の経済見通しについて、「良くなる」、「変わらない」、「悪くなる」の3択で回答します。そして、「良くなる」から「悪くなる」の割合を差し引いて、DI(ディフュージョン・インデックス)を作成します。景況感の節目である50を超えていれば前月よりも改善していることを意味します。

なお、公表される指数は、ドイツ国内の「期待指数」・「現状指数」、ユーロ圏の「期待指数」・「現状指数」となっています。

同様の景況感指数として、独IFO景況感指数がありますが、こちらは公的研究機関であるIFO経済研究所が公表している経済指標で、製造業・建設業・卸売業・小売業の約7,000社を対象にアンケート調査したものです。

独ZEW景況感指数は速報性、独IFO景況感指数は正確性があるものとして、マーケット参加者に認識されています。また、これらの景況感指数は、独鉱工業生産指数よりも先行性があることを覚えておくと、投資判断をする際に役立つかと思います。

※元データの確認は、ZEWのウェブサイト(英語版)をご参照ください。

【2016年2月15日 投信1編集部】

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岡野 辰太郎