日経平均が1年4か月ぶりに15,000円を割り込む

2016年2月12日の東京株式市場で、日経平均株価は3営業日続落し、終値は前日比760円78銭安の14,952円61銭となりました。15,000円を割り込むのは1年4か月ぶりです。東証1部全銘柄の約97%が下落する全面安となりました。

11日の外国為替市場で、円相場が一時1ドル110円台まで急騰したことや、世界的な株安などを背景に、リスク回避の動きが加速しました。

1月29日には、日本銀行の黒田東彦総裁がマイナス金利の導入を決めました。発表直後は一時1ドル2円以上も円安になり、株価も上昇しました。しかし、その後急速に円高、株安に転じました。特にドル円相場は、1月29日から9円近く円高になっています。

円高、株安はどこまで続くのでしょうか。「そろそろ止まる」という声もありますが、予断を許さない状況と言えます。世界を見れば、中国経済の減速、原油価格の急落、米経済の鈍化、FRBイエレン議長の3月の追加見送り示唆など、厳しい条件が重なっています。こうした中では、日銀の策も、焼け石に水になりかねません。

15日の週の相場の見通しはどうでしょうか。「もう下がらない」と決め打ちしての反発狙いはまだ早いように思います。むしろ戻り売り狙いにチャンスがあるのではないでしょうか。

テクニカル面では弱い流れだった1週間

参考:日経平均株価日足

テクニカル面から見ると、1月21日に16,017円まで下落した後、2月1日には17,865円まで回復しました。しかし、25日移動平均線に頭を抑えられるとともに、17,000円を力強く超えることができず、再度下落します。この時点ではまだ、1月21日の16,017円が下値となるWボトムを形成することも考えられましたが、実際はそこも割り込んでしまいました。

2月10日には長い下ヒゲを付けて、いったん戻る動きも見せましたが、11日の祝日を挟んで窓を開け、さらに下げました。8日の終値から、9日、10日、12日の3日間で、2,000円以上値下がりしました。

テクニカル面から今後の戦略を考えると

今後の動きですが、まず、上がるのか下がるのか。前述したように、世界的な混乱が続く状況では、現時点からの急な反発は考えづらいところです。

ただし、12月1日-12月18日-2月1日の終値を結ぶトレンドラインを引くと、2月12日の終値が、そのチャネルラインのほぼ下限に達しています。そこからの戻りがないとは言えません。RSIなどの指標も「売られすぎ」を示していることから、「そろそろ」と考える投資家も増えてくるでしょう。

ここから反転した場合の目標は、

  • 1月21日の16,017円
  • 上記のトレンドラインの上限
  • 目先の目標として意識されやすい17,000円
  • 2月1日の17,865円

などになります。

ただし、これらの目標に頭を抑えられるようであれば、戻り売りに備えます。特に、トレンドラインの上限(=ほぼ25日移動平均線)は、12月1日以来、3度にわたってトライしていますが上抜けできていませんので、このラインを意識してもいいと思います。

下値の判断は14,500円前後の動きを見てから

逆に、2月15日の週はさらに下がることも考えられます。どこまで下がるのかと考えると、直近の安値は2014年10月17日の14,529円です。2月12日の終値との差は4百数十円しかありません。意外と近いですね。

一気に抜けてしまうと思うかもしれませんが、14,500円前後は、過去にかなりもみ合ったところであり、サポートラインになりそうです。また、ここを抜けたとしても、14,000円前後にももみ合いがあり、今週のようにつるべ落としのように下落することは想定しづらいところです。

そういったことからも、当面の下値は14,500円前後と考えて戦略を立てるとよいのではないでしょうか。下がっている途中での逆張りという方法もありますが、いったん、14,500円前後まで下落した後、そこからの反発を確認してから買い出動しても遅くはないと思います。

【2016年2月14日 下原 一晃】

■参考記事■

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下原 一晃