日本ではインターネットを中心にASMR動画が話題となっていますが、韓国ではテレビでのニュースやCMに起用されるなど頻繁にメディアで取り上げられており、日本よりも一般に浸透しているといえます。
また韓国のアイドルグループのメンバーが睡眠導入にASMR動画を利用していると発言し、芸能人もASMR動画に高い関心を持っていることがわかりました。
さらにYouTuberならぬ「ASMRtist」(エーエスエムアーティスト)という、ASMR動画を専門に公開する人たちにも人気が集まっています。
なぜ韓国ではこれほどまでにASMR動画が流行しているのでしょうか。韓国の文化放送局MBCが行なったASMRの臨床試験の結果に興味深いものがあります。
MBCによると、就寝前スマートフォンを操作した場合と、ASMR動画を視聴した場合の就寝時の脳波を測定したところ、ASMR動画を視聴していた方が脳波の振り幅が小さく安定してより深い眠りに就いたという結果が出ました。
OECDの統計データ(2018年)によると、1日のうち睡眠に費やす平均時間は、米国525分、英国508分、フランス513分、スペイン516分、中国542分など500分を超える国が多かったのに対し、韓国は461分と最短水準となっています。こういった社会情勢も背景となり、睡眠導入効果を期待できるASMR動画が韓国では流行していると考えられます。
先述の統計によると日本の平均睡眠時間は442分。短いとされている韓国よりさらに短い数字が出ています。流行には様々な要因がありますが、日本ではASMR動画に癒しを求めている人も少なくないのではないでしょうか。
食べる音だけではない、まだまだあるASMR動画
ゾワっと脳がとろけるような快感を生むASMR動画は、食べる音の動画だけではありません。
耳元で話しているようなささやき声が流れるもの、ページをめくる音がするもの、キーボードのタイピングの音など、日常の中でどこか気になってしまう音をじっくりと聞くことができます。
聞いているうちに思わずうとうとしてしまうような感覚が、まさにASMRの快感といえ人気となっています。快感のトリガーは人それぞれ異なるので、自分が心地よくなれるトリガーを探してみては。
まとめ
日本を始め、韓国、さらには世界で食べる音の動画が話題となっています。
ただ、美味しそうな音で美味しそうに食べるという点だけではなく、気づかないうちに脳が快感を覚えているという魅力がありました。ぜひ癒しと快感を求めて、ASMR動画を楽しんでみてくださいね!
【参考】
『ASMRについて』ASMR Studio
『盛り上がりをみせる韓国のASMRブームと人気ASMRtist』ASMR Studio
『Gender data portal』OECD
吉永 涼