総務省調べによると2017年度の移動通信の契約数は、固定通信が2135万台で移動通信が17357万台ですから固定通信契約数の約8.1倍になっていることが分かります。逆に固定通信契約は2006年の5515万台あったわけですから半減以下の数字という事になります。

詐欺師集団はこの数に日夜電話をかけまくるわけです。従来型の固定電話を使っている加入者は高齢者が多いので今更通信サービスを変えよとする意識は薄いので、結局この層は詐欺集団の勧誘ターゲットになってしまうわけです。

固定電話を使用する高齢者をターゲットにしたアポ電詐欺や強盗に対して、離れて暮らす両親を抱える家族にとっては他人事とは思えないのでは。アポ電詐欺・強盗の被害に合わないための対策としては通話の前に「防犯のため会話が録音されます」と一言いった方が、相手は警戒するのではないかと思います。録音機は市販で売られていますが自治体でも貸し出していますので問い合わせてみてください。

■ 留守電にしておけば強盗の被害に合うことはありません

相手からの要求に対しては「断る」だけでは不十分な場合もあります。電話に出ないのが一番ですが留守電にしておけば犯人は声を残すことを嫌うので間違いなく被害を防ぐ事ができるはずです。

本当に用件のある人は留守電に氏名や電話番号を伝えてくるはずですし、再度かけなおしてくれる場合もあります。もし知らない人からの電話であれば誰かに相談したり電話番号を調べたりしてからかければ安心です。

固定電話は決して悪いツールではありませんが、今の社会現象を考え場合、高齢者の固定電話はリスクやデメリット要因でしかないように思えます。最近はコンプライアンスの観点から電話での勧誘を自粛する企業が多く出てきてはありますが、このままでは仕事や事業目的以外での固定電話の設置は益々廃れてしまうのではないでしょうか。

佐々木 泉二