みなさんは、学校に対して、「これはちょっと理不尽じゃない?」という思いをしたことがありますか? お子さんが小学生、中学生の方なら、その歯がゆさを経験した方も多くいらっしゃると思います。最近、学校と保護者の間での連絡書類を巡るトラブルが注目されているようです。
プールの許可は「絶対に」ハンコで!
先日、注目されたのは、小学生のお子さんを持つ、ぺたぞう( @pettanesa)さんがTwitterに投稿した一連のツイートです。2019年6月27日に投稿され、その後、一日足らずで1.4万リツイートを呼ぶ反響がありました。
内容は、連投されたツイートによると、「子供のプール参加に対し、保護者の許可を確認する”プールカード”で、サイン不可だったが、手元にハンコがなく、また、これまで多くの他の学校書類が自筆サインでOKだったため、ハンコがない旨を書いた上でサインで提出したところ、子供がその日のプールの授業に参加できなかった」という主旨でした。
最初、ぺたぞうさんは、自分の行動によりプール参加できなかった子供に対してはもちろん、その後「ハンコでお願いします」とわざわざ電話をかけてきた学校にも申し訳なく思っていたそうです。
しかし、電話中に、ふとした単純な疑問で、「どうしてプールカードだけハンコなのか?」「サイン不可についてどう考えているのか?」について聞いたところ、論理的な理由は一切なく、「決めたことですのでご理解ください」としか返答されなかったそうです。
この返答をしたのが、担任ではなく校長だっため、ぺたぞうさんは、「自分が子供たちの安全を考える保護者でなく、”クレーマー” としてしか認識されていない」と感じ、その上「『ここでハイと言ったら自分たちの過ちを認めたことになってしまう』みたいな意地と保身だけで、返事をされてるんだな」と思ったそうです。
そして、これまで真摯に対話してきたことで信頼関係を築けてきたと思っていた分、この件で学校組織に大きく失望したと綴っています。
寄せられた反応
この話に対しては、賛否両論の意見が寄せられました。
共感する側の声としては、
「ハンコなんて子どもでも押せるわけだし、ほんと親のサインの方がいいと思うんだけれども」
という、「誰が許可したか」を重視する点でハンコの必要性に疑問を感じる視点や、
「せめて『いますぐ対応はできませんが、今後の検討材料とさせていただきます』みたいな返答をして誠実さを見せるべきだった」
という、学校側の不誠実さに疑問を呈する視点、
「外国人の子供も増えてるなか、じゃあ漢字ではないお子さんって(ハンコって)どうしてんの?」
という多様性の視点における指摘も見られました。
しかし、一方で、
「ルールを守ってくれない親御さんなら子供の体調確認もきちんとしてくれる確率も少ないだろうから、ルールを厳密に運用するのはリスクを減らす意味でも有効なのでは」
「理由を聞きたいのか興味本位ならただ学校側の仕事増やしてるだけだからモンスター扱いでも仕方ないでしょ」
「『学校』で偽造しやすいのはペンさえあればかけるサイン」
「一人に許可したり質問に答えるとあとあと大変だからでしょ」
という意見も見受けられます。
融通の利かない学校組織
みなさんも、こうしたよくわからない論理や理屈、あるいは非合理的な「学校ルール」は一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
あるある、として聞くものとしては「保護者への手紙・配布物は紙での配布に限る」「休んだ子の家の近所に住む同級生は宿題や連絡帳を届けなければいけない」「部活は強制で休んではいけない」といったところでしょうか。
また、一部の学校にはびこる時代遅れなものとしては、「水筒禁止」「炎天下・高気温でも体育を続行」「体操着の下に肌着を着用してはらない」「寒くても授業中に上着を羽織ってはいけない」「スマホの持ち込み禁止(使用禁止ならわかりますが……)」などが挙げられます。
悪質すぎる、と話題になったものでいえば、「水泳の授業見学の際に、職員室で名前や学年とともに生理何日目かを他の教員がいる前で報告させられた」という話でしょうか。現在は教育委員会の指導によりこのルールは撤廃されたようですが、滋賀県の高校で2019年6月まで実際に存在していたルールです。
時代感覚が変わる中で学校の柔軟性が求められている
文科省・各都道府県委員会・校長・学年主任・担任……と教育機関はピラミッド型の組織で指揮系統が決まっているため、なかなか制度改革が難しいのかもしれませんが、時代感覚に合わせて変わってほしいものです。
もちろん、わが子を優先するためだけの要求や論理的に破綻している主張をするのは、「モンスターペアレント」と言われても仕方がありませんが、学校と保護者の両者で納得できるような環境で子供を見守りたいところですね。
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