これは筆者の推測ですが、同社の社員で勤務態度が良くなかった社員を思い返してみたらたまたま独身や既婚者子ナシ、一人暮らし経験がないといった属性が思い当たった。そのため、そうした経験則から当該の投稿をするに至った経緯があったように感じてしまいます。

しかし、今回の一件に限らず、自身の半径5メートルの経験を一般論に落とし込み、さらにそれを発信することは多くの誤解や偏見を助長させてしまいます。これは意外と、多くの人が無意識で行っていることなのかもしれません。

同社のツイートに怒りの声を挙げることも大切です。しかし、こうして身近ないくつかの事例だけをファクトとして「こういう人はこうだ」と言い切ってしまう危うさは、企業だけでなく世の中のいたるところに潜んでいます。

過激な発言で知名度を挙げる炎上商法のような狙いがあったのかもしれない同社の投稿。私たちは今一度、この投稿を差別意識を生んでしまう構造を考え直すきっかけとすることで、多様化する社会に向けて前進したいところです。

秋山 悠紀