5. 【75歳以上 後期高齢シニア】高齢期に広がる課題 医療費負担への不安の実態
高齢期の暮らしに関する実態は、統計だけでなく、日々の生活感覚にもはっきりと表れています。
J-FLEC(金融経済教育推進機構)の「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」を見ると、70歳代の単身世帯のうち35.5%が「日常生活費を賄うこと自体が難しい」と回答しており、年金中心の生活の厳しさが具体的な数字として示されています。
生活にゆとりが持てない要因として「高齢期の医療費負担の増加」を挙げる人も多く、二人以上世帯では30.0%に達しています。およそ3世帯に1世帯が、将来的な医療費の増加を家計リスクとして意識している状況です。
こうした結果から見えてくるのは、老後の不安が単なる生活費不足にとどまらず、医療費や介護費といった将来的に増えやすい支出と密接に結びついているという点です。
平均寿命の延伸により老後の期間が長くなる中で、「どの程度の支出が、どれくらいの期間続くのか」を見通しにくいことが、不安を一層大きくしているといえるでしょう。
では次に、こうした不安の背景にある医療費の特徴について、具体的に見ていきます。
