4. 運動・かかりつけ医・薬代の3つを整えれば健康費用は賢く抑えられる

老後の支出で見落とされがちなのが、医療・介護にかかる費用です。年を重ねるほど通院や投薬の機会は増え、家計への影響は無視できなくなってきます。

しかし、日常の習慣と制度の上手な活用によって、その負担は大きく変えられます。お金をかけずに健康を守る視点を、早いうちから持っておくことが大切です。

4.1 毎日の運動習慣が「医療費ゼロ」への近道

「健康のために何かしなければ」と思いつつ、なかなか続かないのが運動習慣の難しさです。

しかし、高齢者の健康維持に必要なのは激しい運動ではありません。1日30分、週3〜4回のウォーキングだけで、血圧・血糖値・筋力に好影響をもたらすことが多くの研究で示されています。「息が少し弾む程度」のペースを目安に、近所を歩くだけで十分です。

見落とされがちなのが筋力低下のリスクです。転倒・骨折は、高齢者が要介護状態に陥る主要な原因のひとつ。スクワットや踵上げといった自重トレーニングは、自宅でテレビを見ながらでも実践できます。「薬では補えない予防効果」を運動に求める意識が、長期的な医療費削減につながります。

4.2 かかりつけ医は「何でも話せる相談相手」

体の不調は、自覚症状が出る前から少しずつ進行していることがあります。大病院は専門的な治療には優れていますが、日常的な健康管理の場としては必ずしも適していません。

近くのクリニックや内科を定期的に受診し、医師に自分の「平常の状態」を把握してもらうことが、異変の早期発見につながります。

診察をより充実させるコツは、受診前に気になることをメモしておくことです。「夜中に何度も目が覚める」「坂道で息が上がりやすくなった」など、些細に感じることでも積極的に伝えましょう。

また、複数の医療機関から処方されている薬がある場合は、「お薬手帳」を一冊にまとめてかかりつけ医か薬局で管理してもらうことで、飲み合わせのリスクを防ぐことができます。

4.3 ジェネリック医薬品と制度活用で薬代をカット

通院の頻度が増えると、気になってくるのが薬代の負担です。先発薬と同じ有効成分を持ちながら価格が抑えられているジェネリック医薬品(後発医薬品)への切り替えは、すぐに始められる節約策のひとつです。

処方箋を受け取った際に「ジェネリックに変えられますか?」と薬剤師に一言確認するだけで対応してもらえます。

制度面でも活用できるものがあります。年間の医療費が一定額を超えた場合に超過分が払い戻される「高額療養費制度」、そして年間10万円超の医療費を所得から差し引ける「医療費控除」です。いずれも領収書の保管が前提となるため、受診のたびに捨てずに取っておく習慣をつけましょう。