女性側が“自分の負担だけが大きい”と感じるのは、全く家事・育児に参加しようとしないパートナーと結婚したケースだけではありません。客観的に見れば、ご主人もしっかり家事・育児に参加している場合でも、女性側が大きな負担を抱えている場合もあるのです。
「うちの主人は、はたから見れば家事や育児を率先してやるタイプに見えるようです。私がお願いすれば洗濯物を干してくれたり、子どもたちを公園へ連れて行ってくれたりします。それでも私にばかり負担が多いと感じるのは、主人がことあるごとに面倒くさそうな態度を取るから。結局お願いすればやってはくれるのですが、せっかくやってくれても面倒くさそうな態度を取られた時点でありがたみはゼロです。“私はあなたが面倒くさいと感じることを毎日やっているんですが?”と心の中で思いながら、日々不満を溜めています。」(31歳女性)
「ゴミ出しや取り込んだ洗濯物をたたむなど、気がついたことは手伝ってくれるうちの主人。しかし、ゴミを出したあとのゴミ箱にゴミ袋がかけられていなかったり、洗濯物をたたんだあとのハンガーが全て出しっぱなしだったりと、あと一歩及んでいないのです。やりっぱなし、出しっぱなしが多いくせに家が散らかっていることにイライラしていたりして、その姿を見るだけでストレスが爆発しそうに。結局自分1人で最初から最後まで何もこなせていないので、最後は私が全て片づけていくことになるのです。“やってくれてありがとう!”という気持ちが大きい分、“最後までできてないじゃない”という落胆の気持ちも大きくなってしまいます。」(35歳女性)
しっかり家事・育児を手伝っていると自負している男性に意外と多くみられるのが、面倒くさそうな態度を見せたり、結局最後まできちんとできていないケースです。家事・育児の当事者意識が強い女性に対し、どこかで「これだけやったんだからあとはお願いね」と結局妻任せにしてしまう男性。共働き家庭では、もっともやってはいけないパターンではないでしょうか。
女性は、頭の中で時間配分をしながら家事・育児・仕事をこなしています。そのため、手伝ってもらえることはありがたいのですが、中途半端に手を出されるとその計算がくるってしまうのです。最後までできないのなら最初からやらないで欲しいと考える女性が多いのも、こういった理由から。自分のペースを乱されてしまうと、いくら手伝ってもらえたとしても自分の負担が大きい、と感じてしまうのです。
パートナーにどれだけ当事者意識を持ってもらえるかがカギ
自分の親やパートナーの親と同居しているケースが多かった昔と違い、夫婦の力だけで家事・育児・仕事をこなしている家庭が多くなった現代。世の中の在り方が変わっているにも関わらず、古くからある考えがなかなか抜けない人がいるのも事実です。
自分の負担が大きいと感じている女性や、妻の負担だけが大きい気がするという男性は、お互いしっかりと当事者意識を持てているかどうか今一度確認してみましょう。家事・育児に対しての当事者意識をしっかりと持つことができれば、お互いに自然と何をすればいいかが見えてくるはずです。
川西 まあさ